横並びの料理店 商店街に明かり 塩尻駅近くに個性的な2店

美食研究所/SHIOJIRI_STORE

塩尻市大門八番町、大門商店街で塩尻駅に近いエリアの一角。同じ建物の横並びに個性的な2店がある。なまこ壁の「美食研究所(ビショクラボ)」は昨年12月に、木製壁の「SHIOJIRI_STORE(シオジリストア)」は今年6月にオープンした。
美食研究所は同市生まれの髙砂聡一さん(38)が、シオジリストアは東京から移住した宮内隼人さん(45)がオーナー。それぞれ数十年の料理人経験を生かし、「新たな挑戦の場」として開いた。
日本料理と欧州料理をメニューに並べえりすぐりのワインと共に提供する 髙砂さん、ナチュラルワインと小皿料理で食の楽しさを発信する宮内さん。コロナ禍で閉店した店舗を活用し、商店街に明かりをともしたい思いも込める。

ぴかぴかに磨かれた厨房(ちゅうぼう)で食材を仕込む美食研究所の 髙砂聡一さん。「一つ一つ丁寧に仕事をすれば素材が生きる。特別においしいものを食べてもらいたい」と力を込める。
日本料理とイタリアン、フレンチがメニューに並ぶ。特にお薦めなのが新鮮なネタとシャリにこだわった「すし」と、料理人として20年間の技術が集結した「仔羊のロティ」。日本料理は専門の料理人、平出正司さん(49)が手がけ、ワインはソムリエが選ぶ。
髙砂さんは大門二番町生まれ。フランス料理店などで働き独立し2016年、北小野に「たのめの森フィッシングパーク」と「森のパスタ屋さんPesca Pazzo(ペスカパッソ)」を開いた。
経営が安定し新たな挑戦をと、姉妹店の出店を計画。コロナ下の打撃を前向きに捉え店のコンセプトを考えた。外食自粛でさまざまな料理をテイクアウトし食卓を囲む楽しさをヒントに、日本料理と欧州料理の二刀流にし、特別な日に落ち着いた雰囲気で外食できる店にした。
「大門で生まれたからには地元に還元したい」とコロナ禍で閉店した居酒屋のテナントを活用。「料理人として前進あるのみ。周囲への経済効果も含め商店街に明かりをともしたい」と意気込む。

「地域食材を生かし、なじみの品をめちゃくちゃおいしく料理して出したい」。そう話すのはシオジリストアの宮内隼人さん。料理は地元野菜を焼津港直送の鮮魚と合わせた前菜や、信州福味鶏のコンフィなどを1000円以下で提供する。
世界のシェフが注目し、自身も好きなことからナチュラルワインに特化。「ワイン産地の皆さんに飲み比べてもらい、世界と比較したり地元産の良さを再認識したりしてもらえれば」とグラスワインは10種類を常備する。
料理人歴は30年近く。大阪の三つ星レストランなどで働いた後、食のブランディング会社で全国の生産者を巡った。塩尻市の奈良井宿に開業したホテル「BYAKU Narai(ビャクナライ)」に料理監修スタッフとして関わったのが、塩尻に来たきっかけだ。
各地を訪問し、特に長野県の自然や県民性、食文化に魅せられ料理人の腕が鳴った。18歳の頃から夢見た独立開業。コロナ下で不安もあったが妻の亜紀子さんに背中を押され決心。「全てが肌に合う」と塩尻の大門商店街を選んだ。
3月に移住。知らない土地での開店は周囲の協力あってこそと感謝する。開店後の出だしは順調で「地元の人が喜んでくれてよかった」と宮内さん。これまでの経験と感性で商店街に新風を吹き込んでいく。

【美食研究所】午後5~10時。日曜、木曜定休。TEL080・8147・0048
【シオジリストア】午後5時半~10時。日曜定休、その他不定休。TEL050・8884・6786