写真と絵でコラボ 安曇野の魅力発信

写真と絵の作品集「「安曇野賛歌」を前に、愛用のカメラを持つ鈴木さん

個性違えど変わらぬ安曇野愛

本を開くと左ページに写真、右ページに同じ風景の水彩画。安曇野の魅力を広く伝えようという本「安曇野賛歌」だ。写真は毎年、同名のカレンダーを発行する鈴木研一さん(79、安曇野市穂高)、水彩画は穂高出身、愛知県春日井市在住の寺島靖夫さん(81)の作品だ。
2人を結びつけたのは、カレンダー「安曇野賛歌」。身近な集落の姿、さりげない春夏秋冬の風景など、心温まる写真に寺島さんが引かれた。2人の作品を並べてブログにアップする中、「リアルでもコラボレーションしたい」と20~24日、市穂高交流学習センターみらいで共同作品展を開催する。先駆けて作品集も出版した。
鈴木さんは「写真と絵、それぞれの良さを感じてもらえれば」と話す。

アトリエで作業をする寺島さん

カレンダー縁に共同作品集出版

鈴木研一さんと寺島靖夫さんの「安曇野賛歌─写真と水彩画の協演」には、表紙も含め、それぞれ20枚の作品が収められている。「水温(ぬる)む」のように、構図が同じ作品もあれば、リンゴの花を手前に、常念岳が見える「りんごの花咲く」では、リンゴの花をアップにするなど、写真を元に、寺島さんの感性で仕上げた作品もある。まさに、協演でもあり、共演でもある。
翻訳業の鈴木さんは、茨城県出身。信州大文理学部を卒業後、東京で翻訳、執筆活動などに従事した。若い頃から趣味で写真を撮っていたが、「住まなければわからない安曇野を撮りたい」と2006年、安曇野市穂高に移住した。08年から毎年、カレンダー「安曇野賛歌」を作製、22年版は350部を販売した。
寺島さんは、安曇野市穂高出身。愛知県で住宅設計の仕事をする傍ら、絵を描き始め、定年後の10年から本格的に描くようになったという。
2人をつなげたのは、鈴木さんの近くに住む寺島さんの弟が送ったカレンダー「安曇野賛歌」だ。身近な風景を切り取った写真が寺島さんの琴線に触れた。「模写していいですか」。2人の交流が始まった。
出来上がった絵をスキャンして鈴木さんに送る。鈴木さんのブログ「安曇野フォトエッセイ」には、コラボ展のページもあり、2人の作品と共に、コメントも載る。
鈴木さんは「リアリティーを追求し、隅々までピントを合わせている。それに比べて水彩画は自由で、不要と感じたものは描かなかったり、ぼかして表現したり。イメージを膨らませ、デフォルメしている作品もある。個性、感性の違いが面白い」と話す。
寺島さんは、安曇野市出身ということもあり、鈴木さんの写真に共感することが多かったという。「写真集、絵画集の本はあるが、写真と絵の作品集はユニーク。プロではない2人が出会い、本ができた。不思議な縁を感じる」と話す。
「写真と絵の掛け合い」と寺島さん。ジャンルは異なるが、安曇野を愛する気持ち、その魅力を伝えたいという思いが伝わってくる作品集だ。
共同作品展「安曇野賛歌─写真と水彩画の協演」は20~24日午前9時(24日は午後1時)~午後5時(24日は4時)、安曇野市穂高の穂高交流学習センターみらい。計50枚を展示するほか、それぞれの作品コーナーも設ける。作品集はB5判で、1500円。平安堂あづみ野店で扱う。