未来ビジネスカレッジ中島さん はちみつラベルデザイン

中島朱音さん(19、安曇野市穂高柏原)は専門学校「未来ビジネスカレッジ」(松本市渚2)クリエイトデザイン学科の2年生。百貨店の井上(同市深志2)屋上で養蜂する「松本みつばちプロジェクト」の製品「城町はちみつ」のラベルのデザインを手がけた。産学連携の機会は、生徒にとってチャンスとやりがいになっている。

試食し感じた味の特徴表現

井上と信州蜂蜜本舗(同市中央1)などが主催するプロジェクトは2015年に始まり、同校の生徒がラベルのデザインを担当するのは7回目。
今回、25人が作った約40点の中から採用された中島さんの作品は、「松本の魅力」がテーマで、モチーフは松本てまりの模様の一つ「八重菊」。「蜂蜜を試食した時、華やかな花の香りと、初恋のようなフローラルな風味を感じた。それを表現したかった」と中島さん。
ラベルは、同じデザインの赤、青、緑の3種。赤は花を、青は松本の空の色を、緑は新緑を表したという。商品名の文字は、蜂蜜がゆったりと流れる様を表現。シンプルだが印象的だ。
中島さんは、住宅をリフォームするテレビ番組を見て、建築士の技術や発想に感動。池田工業高校の建築科に進んだ。「設計は、数字などの制約があって難しい。自分が感じたことを作品にし、世に送り出すデザインの道に進みたい」と卒業後、専門学校へ。
自分の考えが形になる体験をした中島さん。店頭に並ぶ商品を見て「自分が作ったという実感がなく、不思議な感じ」としながらも、「選ばれてうれしい。いい経験になった」と笑顔を見せる。

生徒の可能性開く実践教育

プロジェクトが「若者に、地元に関心をもってほしい」と依頼するラベル作成は、商品化に関わる実践教育の場にもなっている。
「城町はちみつ」の知名度が上がるに連れて他の企業からも、ラベルやロゴのデザインなどの依頼が舞い込むように。クリエイトデザイン学科の栗田梓学科長(41)は「年に4社が限界」というが、月に2件の依頼を受けることも。「企業は型にはまらない、若者の視点や発想を期待しているのでは」とみる。
依頼を受けて生徒がラベルやロゴなどを作る際、大切にさせているのが「思い込みで作らない」ことという。例えば「ワイン=ブドウ」でなく、その歴史や地域性などの背景を知ってから、デザインに取り組ませる。
生徒は、自作が選ばれれば大きな自信になり、そうでなくても「次は頑張ろう」という気持ちになる。作品や作成の経験は、就職活動の際のアピールポイントにもなるといい、産学連携が生徒の将来の可能性を広げているといえそうだ。