【ガンズリポート】好調安定した守備の要因

飯田コミュニティーボンドビルダーに聞く

J3リーグは今季前半の17節を終えた。2位以内に入り、1年でのJ2復帰を目指す松本山雅FCは、2位で折り返した。一時は首位に立つなど上位をキープし続け、首位に勝ち点差なしまで迫った。上位争いを支えているのが、安定した守備だ。現役時代にDFとして長く山雅の守備を統率した飯田真輝さん(36、現・山雅コミュニティーボンドビルダー=CB2※)に解説してもらった。

─今季は3バックと4バックを併用している。
3バックの方が選手の位置関係がはっきりして守りやすく、山雅の場合はMFのサイドの選手も守備ラインに下がって実質、5バックになる。
試合の終盤は橋内選手が入り、ラインを高く維持する。体力がいるプレーを、ラスト10分に凝縮して守り切っている。最近は、その集中力を他の時間帯でも見せている。

─4バックは?
1人が守る幅が大きくなり、センターバック(CB、守備ライン中央を担当)2人の役割も変わる。
今のチームが3バックも4バックもできるのは、さまざまなポジションをこなせる前選手と下川選手の存在が大きい。特に、前選手は安定感とバランス感覚に優れ、守備でも攻撃でも計算できる。

─試合中に布陣を変えることも多い。
守備を家に例えると、CBを土台に、他の選手を積み重ねて建物を造る。積み替えても安定しているのは、監督と選手のビジョンが統一されている証拠。開幕当初は、危ない場面でCBがいるべきところにいなかったが、チームと個人の練度が上がってきた。

─期待することは?
CBの大野選手には、例えば「橋内選手がいるとラインが高い」とか「村山選手がいると声がけがいい」など、特長を持った選手になってほしい。周りやサポーターから「いないとダメだよね」と言われるような、いいイメージが定着すれば、山雅の守備全体にも確固たるものが生まれる。

※Bの右上に小さい2