劇団「TCアルプ」新メンバー迎え13人で始動

30、31日新体制での初舞台

新生TCアルプ、始動!
まつもと市民芸術館(松本市深志3)を拠点に活動する劇団「TCアルプ」が今年、6人の新メンバーを迎え13人になった。新体制での初舞台「バッタの夕食会」が30、31日、同館で上演される。
新メンバーのほとんどが20代。同館が主催する演劇講座「まつもと演劇工場」の卒業生や昨年、松本市街地で初開催した芝居や音楽などの催し「FESTA松本」の出演者など個性豊かな面々だ。
前身の「レジデントカンパニー」から15年になるTCアルプ。ワークショップから芝居づくりに取り組み、自らの想像力をフル稼働してつくり上げていくスタイルが魅力の一つ。
そんなTCアルプに巻き込まれた新メンバーも奮闘中。稽古場を訪ね、初日に向けた意気込みなどを聞いた。

若いパワーで新しい魅力を

まつもと市民芸術館の稽古場。同館総監督の串田和美さん(79)らのアドバイスを受けながら、新メンバーが試行錯誤で表現を重ねる。新作「バッタの夕食会」は、幾つかの物語によるオムニバス。各メンバーが持ち寄った話を膨らませ、“こんな世界もアリ?”と、見る人を引き付けていく。
これまで7人だったTCアルプに、6人が加わり13人に。発足当初から参加する武居卓さん(37)は「人数が増えた分、もっと新しいもの、面白いものが生まれそう」。即興劇を積み重ね芝居にしていく過程は「“先輩が何かやってくれそう”というプレッシャーを日々、感じている」と苦笑する。
TCアルプは以前から、志を共有できる役者を劇団に迎えたいという方針だった。昨秋から「まつもと演劇工場」や「FESTA松本」で苦労を共にした仲間との連帯感が生まれていた。
                ◇
新メンバーの堀田康平さん(32、朝日村)は、演劇工場の1期から約8年間在籍。高校時代、「信州まつもと大歌舞伎」に市民キャストで参加したのがきっかけだ。
何度か舞台に出演し、役者に向いていないと距離を置いたこともあった。それでも「そこにいる人や、舞台に立つことが心地よくて求めてきた」。芝居に熱中してきたTCアルプの団員の生き方を見て「自分も注げるものを注いでいこう」とメンバーになった。
稽古では先輩に圧倒され、「へこむ日々」というが、へこんでいられないと自身を奮い立たせる。「役者一人一人の面白さを引き出してくれるTCアルプに救われた」と堀田さん。他では得られなかった達成感、充実感があったからだ。今回の舞台は「軽やかさの中に、何か心に残るものがある作品」。楽器演奏を交えた芝居となり、楽器の練習にも奮闘中だ。
                ◇
加賀凪さん(29、東京)は5年前、串田さんが主催する滞在型のワークショップに参加したのがきっかけ。それまで役者は、台本を演じるものと思っていたが、串田さんの「言いなりでなく自分で想像して」という言葉に心を打たれた。
2017年、TCアルプの発足10周年自主公演「土砂降りボードビル」に出演後、何度か共演。芝居をつくり上げる苦しさとやりがいを実感し、「とにかく瞬間、瞬間、楽しいことが好き。個性的でアイデアマンの皆さんと一緒に頑張りたい」と初めて劇団に入った。
日本大芸術学部演劇学科に在籍中、先輩が松本で演劇活動していると教授から聞いていた加賀さん。「TCアルプは演劇に向き合える場。新生アルプすごいぞ!という公演にしたい」と目を輝かせる。
武居さんは「自分たちが戸惑うくらい、どんどん若い人たちに壊してほしい。そうやって新しくなれば、もっと魅力的なTCアルプになる」と期待する。

【バッタの夕食会】30日午後2時、7時、31日午後2時。整理番号付き自由席。一般3000円、25歳以下1000円(30日は両公演とも前売りあり、31日は前売り完売で当日券のみ)。まつもと市民芸術館チケットセンターTEL0263・33・2200