山岳美術館で辻まこと「岳人」表紙展

安曇野市穂高有明の安曇野山岳美術館は10月5日まで、「山の雑誌の表紙展~辻まことの世界」を開いている。山に登り、絵を描き、文筆にも腕を振るった辻まこと(1913~75年)が山岳雑誌「岳人」に描いた表紙絵を紹介。表紙53点の他、原画14点と、同時に掲載された「表紙の言葉」も一部展示している。
同館副館長で学芸員の岩佐峰子さんは「多彩な人だったと聞く。表紙絵を見てもコミカルな描き方の時があるかと思えば写生風のシリアスな回もある。著書や画集も何種類か会場に置いてあるので、その才能を知ってほしい」と言う。
辻が表紙絵を担当したのは晩年の71年1月号から76年2月号(遺作)まで。高い山を楽しむ人たちや山小屋の中でくつろぐ人など、文字通り岳人(登山家)たちの姿を描いた。「表紙の言葉」は絵の説明ではなく、エッセー風で物語性が高い。
同館は5年ほど前、辻が描いた表紙絵の「岳人」50冊弱を版画家の杉山修さんから寄贈された。「足りない本も入手して表紙絵の展示を」と考えていたところ、原画の一部を所有している植田俊一郎さん(横浜市)の存在を知った。そこで、現在同誌を発行しているモンベルグループを通じて原画14点を借り、展覧会にこぎ着けた。
置いてある著書は風刺が効いた「虫類図譜」(筑摩書房)など。
午前10時~午後4時。木曜休館(8月は無休)。大学生以上700円、中・高生300円。8月11日(山の日)の入館者にドリンクのサービスがある。同館TEL83・4743