どこでも修理に「動く工作室」誕生

白い車体が印象的なかわいらしいトラック。側面にはドライバーなどの工具や工作機器が描かれている。
山形村で機械開発・福祉車両改造などを手掛ける会社Kichi(キチ)で、出張作業ができ、特殊な修理もできるトラック「動く工作室 カブキチ1号」が誕生した。さまざまな修理のニーズに応えられる車両だ。
車体に描かれた工作機器や工具は内部と同じ。笑顔で作業する男性の絵は、同社代表の西牧剛さん(50)だ。
西牧さんは、長年身体障がい者が使う福祉車両改造を手掛けてきた。「自分の得意分野でもっと人の役に立てたら」。カブキチの原点だ。

得意生かし人のため全国飛ぶ

山形村で機械開発・福祉車両改造などを手がけるKichiで、出張作業ができ、特殊な修理も可能なトラック「動く工作室カブキチ1号」が誕生したのは4月。さまざまな修理ニーズに対応できる。
車体側面のイラストはかわいくも見えるが、内部の情報を正確に伝えている。アルミ板を切り抜くCNCフライス、プレス機、溶接機、発電機、圧縮機など、さまざまな工作機を完備。内装は同社代表の西牧剛さんが自身で手がけた。
金箔(きんぱく)を延ばす箔打ち機、京都の先染め織物を作る織り機―など日本の伝統品を作る機械は、昔作られたものが多く、既に製造会社がないなどの事情でだましだまし使う職人も多い。また、建物内で組み立てた大きな機械はばらすことが難しく、修理にも出せない。

県外の依頼契機“部屋ごと”構想

動かせない機械の修理を県外の会社から頼まれたことが、移動工作室を作るきっかけだ。以前は普通に工具を車に積んで修理に向かったが、「工作室そのものを持っていけば幅が広がる」と4年前から考え始めた。
欠けたり部分的に壊れたりして図面化できない機械、職人の感覚が大事な機械など、直したいものはたくさんある。カブキチなら現地で職人の感覚的な話を聞いた上で、車内で部品を作れる。
これまでにカブキチで、しめ縄作りに必要なわら挿し機の修理、身体障がい者用に普通自動車のアクセルを左に配置―などをしてきた。
西牧さんは、若い頃から溶接、塗装、機械加工などの専門技術を身に付けてきた。現在も一人一人の障がいに合わせた福祉車両の改造を手掛ける。「得意分野で人々の役に立ちたい」思いと、販路拡大という目標がある。
依頼があれば全国に行けるカブキチ。「図面化できない、部品が手に入らない。そんな機械があれば一度ご相談ください」と西牧さん。
問い合わせTEL0263・31・6210