【眺めてみれば】#9 蔵造川水路橋(めがね橋)と電車(塩尻市北小野)

列車との写真撮影に時刻表も

全国各地にあるアーチ型の橋「めがね橋」。国道153号の善知鳥(うとう)峠から南へ約700メートル、看板沿いに進むとある「蔵造(ぞうぞう)川水路橋」もその一つ。鉄道線路建設で分断された川を通し、農業用水を確保するため1906(明治39)年に造られた。
地上からの高さは9・8メートル。人ではなく水を通す橋なので幅は狭い。味わいのあるれんがと生い茂る緑のコントラストが美しい。国内に現存するれんが造りの水路橋はとても貴重で、2015年、公益社団法人土木学会(東京)の「選奨土木遺産」に認定された。
現地には展望台があり、水路橋と蔵造川の様子を眺められる。柵には「列車の写真撮影の参考に」と小野駅の時刻表も。設置した北小野地区振興会の担当者は「明治からの遺産を地域で大事にしていきたい」と話す。次は電車の中から眺めてみようか。