思い形に13歳の初写真展

野鳥の写真初個展 河野吉花(かわのよしか)さん 松川村

「タイトルパネル、どこに置く?ここ?」「いいと思う!」
松川村すずの音ホールの「まめってぇるーむ」で、29日まで開催中の「小さな鳥さんの写真展」。準備に当たったのは、撮影者で松川中学校1年生の河野吉花(かわのよしか)さん(13)と、村地域おこし協力隊員の松本寿治さん(39)だ。
レーザー水平器で作品の高さをきっちりそろえ、自分の言葉で説明文を付けた。手製のモビール(つるし飾り)や顔出しパネル、ある仕掛けが楽しめる箱など、工夫満載の展示空間になった。
住民のアイデアを形に─。「写真展を開きたい」という河野さんに、公民館を拠点に地域活性化などに取り組む松本さんが伴走し、制約や既成観念にとらわれない創造、発信の楽しさや可能性を追求した。やりたいことを形にした13歳の初個展とは。

地域おこし協力隊員松本さんがサポート アイデア具体化

松川村の中学1年生・河野吉花さんが主に村内で撮影した野鳥の写真を展示する「小さな鳥さんの写真展」(村公民館主催)には、ツバメやヤマガラなどを写したパネル写真十数点が並ぶ。子育て中のツバメがひなに餌のバッタを与える瞬間や、望遠鏡越しにシャッターを切った独特の構図のキセキレイの写真が目を引く。シルエットや体色の美しさが際立つ作品もある。
このほか、切り抜いた鳥の写真を付けたモビール、カワセミの写真をつるした風鈴も飾った。段ボール製の扉を開くとツバメのひなの写真が現れ、じかに録音した鳴き声が流れる凝った仕掛けも。ツバメ親子を描いた顔出しパネルも自作した。
「作品をただ並べるだけの写真展は、自分の経験からも子どもにはつまらない。せっかくなら面白くしたかった」と河野さん。「1日10個」と目標を立てて展示方法のアイデアを絞り出し、「大変だった」と振り返るが、サポートした村地域おこし協力隊員の松本寿治さんとのミーティングを6月から何度も行ううちに、「脳みその中の糸を引っ張り出してもらった」。

懸命に準備し面白い展示に

河野さんは写真撮影が趣味。コンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラで鳥だけでなく、草花や虫などを撮影している。今展では小学5年生の時からの作品を並べた。
「撮影して自分で楽しむだけだと寂しい。みんなにも見てもらいたい」。中学生になり、写真展開催の夢が膨らんだ。そんな折、4月に着任して村公民館を拠点に活動する松本さんと知り合い、力を貸してもらえたらと相談。思い描く写真展の実現に向け、どうすればいいのか。松本さんの空間デザイナーの経験や技術を生かし、河野さんの考えや実施までの流れなどを、一緒になって整理整頓し具体化してきた。
河野さんが手で描いたアイデア図を取り込んだ展示会場を、3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)で再現してイメージを「見える化」したり、手書きのタイトルデザインをデジタルデータ化してパネルに仕上げたり。松本さんは参考や例も示しながら、河野さんの思いを形にする一連の動きをサポートした。
「(河野さんの)やりたいことをうまくアウトプットするお手伝いができたらと、一緒に取り組んだ。疲れる作業だったと思うが諦めず、面白い展示になった」と松本さん。「創造性をさまざまな制約から解放していきたい」とも話す。
家族の協力を得ながら自宅でも懸命に準備に励んだ河野さんは「(会場は)まだ寂しいけれど、当初の計画からしたら120点かな」とにっこり。「初個展はドキドキ。写真も見てほしいし、展示方法のアイデアにも注目してもらえたら」と語った。
午前8時半~午後10時。村すずの音ホールTEL0261・62・2481