カフェと野菜生産者で夏祭り

「キイヤサイ 夏の陣」 安曇野市

安曇野市穂高のKIIIYA(キーヤ)cafe&hostelは6日、野菜の生産者とタッグを組んで「キイヤサイ夏の陣」と銘打った夏祭りを開いた。店の入り口で生産者グループ「ほりがねーぜ」と「のぐちファーム」のメンバーが、取れたて野菜と炭火で焼いた野菜を販売。店内にゲームコーナーをつくり、法被姿のスタッフが盛り上げた。
KIIIYAは「『つながる』拠点」をコンセプトに昨年9月オープン。カフェとしてだけでなく、安曇野市などで活動する作家のワークショップを開き「人と人、人と物」をつないできた。今回は初めて「食」でつながる場を企画。子どもも楽しめる夏祭りムード満載の店内にした。
にぎわう「キイヤサイ」を訪ねた。

地元農家の野菜知るきっかけに

安曇野市穂高の市中央図書館近くにあるKIIIYA cafe※&hostelの店舗前で、バーベキューコンロの上に玉ネギやトウモロコシ、ジャガイモなどが並んでいた。炭火でじっくり焼くことで野菜の甘みが増し、一番野菜の味を感じられるという。竹下涼料理長(29)は「この野菜は味が濃く、そんなに手をかけなくてもおいしい。地元野菜をみんなに食べてもらうきっかけになるといい」と話す。
キイヤサイ当日の6日、スタッフは朝から炭火をおこし、焼いて甘みが出る野菜を準備した。ジャガイモは4種類あり、購入した人は、ほくほくの焼きたてを頬張りながら味の違いを堪能した。店内は輪投げや射的、箱に手を入れて中にある野菜の名前を当てるゲームなどを用意。お祭りムード満載で、子どもたちは大喜びだ。
キーヤ代表の島友理奈さん(34)は今年2月、「ほりがねーぜ」や「のぐちファーム」の生産者に出会い、野菜作りへの思いを聞いた。野菜の味もとてもおいしかったので、店の料理に使おうと決めた。夏野菜の最盛期となる8月は「信州安曇野フェアー」と銘打ち、野菜たっぷりのメニューを提供している。
「野菜を直接客に販売する機会はあっても、野菜を卸した店の先は分からない」という話を聞き、「お客さんと生産者がつながる場所を作れたら」とイベントを企画したという。
堀金地区で農業を営む「ほりがねーぜ」の小松康則さん(39)は「飲食店と農家が手を取り合うことで、今まで破棄するしかなかった野菜を使ってもらったり、手に入りにくい野菜を提供できたり、刺激しあえるようになった。カフェに出向いて販売できるのは貴重な機会」と言い、笑顔で客と話していた。
「キイヤサイ」は、店名の「キーヤ」、「野菜」「祭り」を掛けて名付けた。今後は秋の陣、冬の陣…と続けていく予定だ。

安曇野で「縁」をつなぐ場として

「安曇野に、人が集まり、つながる場所を」をコンセプトにオープンして以来、昼空いている2階の宿泊者専用ラウンジを使って、これまで約20人の作家らが52回のワークショップを開き、延べ250人ほどが参加している。
ステンドグラス作家のワークショップでは、キーヤの店舗を建てる前にあった家のガラスを使い、トレイやガーランド(室内装飾)を作った。過去と今をつないでいる。
島さんは「この1年、カフェとワークショップの企画など目の前のことをこなすだけでいっぱいいっぱいだった」と振り返る。安曇野のお薦めマップ作りや、移住に興味がある人が必要な情報の発信、安曇野の魅力を伝えるツアーの企画…。やりたいことがたくさんある。「誰かにとって『キーポイントになる家(場所)』になりたいと思って付けた店名。2年目はもう少し余裕を持って、少しずつ形にしていきたい」と前を見据える。

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