【眺めてみれば】#10 存在は謎めく・ゴジラみたいな木(安曇野市)

登山道整備した70年前から存在

三股登山口から心地よい沢の音をBGMに北アルプス蝶ケ岳(2677メートル)方面へ歩くこと約30分。標高1540メートル辺りの登山道脇に「ゴジラみたいな木」が突如現れる。
蝶ケ岳ヒュッテ3代目の中村梢さん(27)に由来を尋ねると「登山道を作った約70年前にはすでにあったそうです」。そばにある看板は、中村さん一家が約15年前に手作りして設置。「絵心のない先代の母がゴジラみたいな絵を添えました」と笑う。
ヒュッテではオリジナルキャラクター「ゴジさん」グッズの販売も。木の種類や成り立ちは「畏れ多くて調査できない」という。
登山者の中には、先人に倣って小石を歯に見立てて置いていく人もいる。肉食恐竜にも見えるなと思いつつ木の後ろへ回ると、舌なめずりする大きな角のバファローみたいな顔があった。