企業の内面描く動画発信

動画制作のため企業を訪ねて話を聞く諏訪さん(左)

中信地区の企業を対象に、経営者の思いや仕事のこだわりなどを紹介するYouTubeチャンネル「知られざる流儀」がある。制作者は安曇野市三郷明盛の諏訪秀聖(しゅうせい)さん(25)。今年3月に運営組織「LIPEL(リペル)」を設立した。
企業の理念はリーダー次第。商品やサービスなど表面的なことでなく、社長の思いやこだわりなど、内面的要素を動画でまとめる。
企業探しや取材、動画制作などを諏訪さんが、撮影を高校時代の友人のプロカメラマンが担う。一つの企業に7日間ほど密着取材をしてリアルな現場、思いを伝える。
3月に配信した約30分の動画は、4カ月で再生回数が1万回を超えた。「今後も多くの企業の魅力を発信したい」と意気込む。

何日か密着し時間かけ記録

LIPELが企業を取材、制作した動画は現在、インテリア、和服、自動車販売|と、業種が異なる3社のものがYouTubeで公開されている。
毎日の仕事風景。社長が自身の言葉で話す思いやこだわり。顧客と末永く付き合っていくため、絆を深めることに努力する姿。従業員育成に力を入れていること…など、それぞれ異なる魅力が、映像に記録されている。
「会社が自ら作るウェブサイトでは文章に偏りがちだが、映像だとより伝わりやすい」と諏訪秀聖さんは話す。
取材は1日ではなく、何日か密着して行う。会社の業務プロセスを把握し、時間をかけることで、会社の人たちが普通のことだと思っていても、他にはあまりない良い習慣やエピソードだと気付くことがあるという。
動画で情報発信することで「魅力的な企業のさらなる知名度アップにつながれば」と諏訪さんは期待する。

憧れから独学「故郷」で起業

諏訪さんは、最初から映像制作を志していたわけではない。かつては漠然と公務員を目指していた。「もっと社会を知りたい」と、人生に迷っていた東京での大学生時代。社会を知るために、幾つかの会社の社長に会った。その中で、とある社長に「自分のやりたいことを突き詰めろ!」と一喝された。
これを機に思い切って大学を中退。小さいころからドラマなどでよく目にしていたウェブ業界に憧れがあった諏訪さんは、「パソコンのスキルを身に付けよう」と決めた。故郷の安曇野市に帰り、知識は全くなかったが独学でプログラミングを学び、県内のウェブマーケティング会社に就職。働きながら技術や知識を学び、今年3月に独立・起業した。

各社の特長を分かりやすく

多くの会社がある中で、同じ商品や同じサービスを扱っていても、それぞれ違いがある。人との縁をより大切に思う企業、価格をできるだけ下げて提供することを意識する企業など、さまざまだ。一方で消費者には違いが分かりにくい。映像を配信することで、各社の特長を伝えられるのでは、と考えた。
「どの会社を選ぶか迷った時、映像を通じて商品以外の取り組みが情報として得られる。一つの判断基準として見てほしい」と諏訪さん。
同時に、長野県、さらには中信地方にも、高い理念を持った企業、頑張っている企業が幾つもあることをアピールしたかった。「特殊な技術を持っていたり、強く熱い思いを持っていたりする会社を発信し、多くの人に知ってもらいたい」と話す。
今後は、地域を広げていきたい考え。動画は30分間のドキュメンタリー風か、3~5分の短編。有料で制作する。YouTubeチャンネル「知られざる流儀」はこちら。問い合わせはメール(info@lipel.jp)で。