【ガンズリポート】マッチレビュー 23節・3日山雅2-1愛媛

FW榎本勝負強さ発揮

勝ち越し点は試合終了間際だった。決めたのは22歳のFW榎本樹。出場こそ19試合とチームで十指に入るが、うち17試合が途中から。2トップの枠を争うFW陣の中で“第3の男”が、ここぞという場面で勝負強さを発揮した。

“第3の男”悔しさ爆発勝ち越し決める

後半45分。MF浜崎拓磨の左クロスに頭から飛び込んだ。速い球足に相手GKは一歩も動けない。17分前に同時にピッチに入った2人の連係だった。
榎本は先月、我慢の時期を過ごした。3試合でベンチにも入れなかった。「大事なのは自分。腐らずにボールを蹴った」。居残りで練習を積んだ。
ベンチに復帰して2戦目で、5月29日の今治戦以来のゴールを決めた。「悔しさを爆発させることができた」
これで今季は3得点。出場時間で計ると、144分に1点決めている。チーム得点王(10点)横山歩夢の154分をしのぎ、チームで最もいい数字だ。
ゴールの価値は、時間帯を見ると輝きを増す。宮崎戦(4月10日)の今季初得点は、後半ロスタイムの同点弾。振り返ると昨季のプロ初得点も、終了間際に追い付く一撃だった。
186センチの長身に、体の厚みもある。名波浩監督は「お前はうまくない。すごみはある。つぼに入った時の強さはチーム一番。泥臭くやれ」と諭したことがある。
横山や小松蓮、ルカオらの控えに甘んじてきたプロ4年目は愛媛戦の後、「悔しさは残っている」と静かに言い切った。