松本平広域公園陸上競技場建て替えへ 青春の舞台に別れ

思い出の聖地で「ナイター運動会」走り納め

「頑張る大切さを教えてもらった。今の自分の原点」「陸上競技であんな感動をもらったのは初めて」
近く建て替え工事が始まる松本平広域公園陸上競技場(松本市神林)。思い出を語るのは安曇野市内で整骨院併設のスポーツジム・ZERO(ゼロ)を営む丸山主税(ちから)さん(45)と同施設トレーナー・原義美さん(54)だ。
二人は学生時代、同競技場で汗と涙を流した。二人にとって“聖地”の最後の姿を目に焼き付けようと24日、誰でも参加でき、走り納めをする「ナイター運動会」を開く。
かつて同競技場を練習拠点にした車いす陸上の樋口政幸さん(43)らも参加予定。丸山さんは「あの競技場に思い入れがある人も、そうでない人も気軽に参加を」と呼びかける。

ZEROのオーナー、丸山主税さんが初めて松本平広域公園陸上競技場に足を踏み入れたのは、穂高北小(安曇野市穂高有明)6年時の県大会。100メートルに出場した。初体験の全天候型トラックで思わぬトラブルがあり、タイム的には「良くなかった」。
以後、中学、高校でも陸上競技を続けた丸山さんは、数え切れないほど同競技場のトラックを全力疾走。豊科高(同市豊科)3年時に100メートルで、全国総体出場を決めたのもこの場所だった。「悔しい思い出の方が多いが、今の自分を築いてくれた原点」と感謝する。
一方、原義美さんは菅野中(松本市笹賀)出身で、陸上クラスマッチが同競技場で行われるなど愛着は深い。
松本美須々ケ丘高(同市美須々)陸上部で、競歩競技を始め、競技デビューしたのも、初優勝したのもこの競技場。以後、社会人になっても競歩を続け、29歳の時30キロ競歩で当時の日本記録を樹立するなど日本のトップ選手になった。
「陸上人生が始まった場所。高校時代の夏合宿で、真っ暗なトラックで練習したのがいい思い出」と振り返る。
青春時代の濃密な思い出が詰まった競技場は二人にとってまさに“聖地”。建て替えられることを知り、「走り納め」のための「ナイター運動会」の開催を原さんが丸山さんに提案した。

24日の運動会当日は、かつて安曇野市に住み、同競技場を練習拠点とし、ロンドン、リオデジャネイロパラリンピックに2大会連続出場した樋口政幸さんのほか、東海大三高(現東海大諏訪高)陸上部OBで北京五輪400メートルリレー銀メダリストの塚原直貴さん(37)、同じく同部OGで、信州ガールズレスラーのLINDA(リンダ)さん、松本市在住でマスターズ陸上女子三段跳び年代別世界記録保持者の大日向暁子さん(72)らがゲスト出演する。
一般の参加種目は▽親子100メートル走▽100メートル走▽1000メートル走▽400メートルウオーク▽幅跳び▽ボール投げ-で、1人2種目まで参加できる(参加費1種目1000円)。1000メートル走は目標タイムの設定あり。
運動不足の解消などを目的とした参加も大歓迎で、丸山さんは「陸上競技経験がない人も本格的なトラックで走ってみて」と呼びかける。
午後4時半競技開始。問い合わせはZERO TEL0263・88・3043

【松本平広域公園陸上競技場】第33回国民体育大会の主会場として、松本運動公園陸上競技場の名で1977年9月に開場。日本陸上競技連盟第1種公認。2028年に県内で開催予定の第82回国民スポーツ大会(国体)、第27回全国障害者スポーツ大会に向け、建て替えが始まる。新たな競技場の完成は25年度の予定。