カフェプレイエル&ギャラリーやましろのアンティークピアノ

珠玉の音色を身近に

松本市波田の「カフェプレイエル&ギャラリーやましろ」に、約100年の歴史を持つ2台のアンティークピアノがある。第一線のピアニストたちがその音色に魅せられ、プライベートでも足を運ぶ名器だ。これまでは主にプロ奏者の演奏時に使用されてきたが、今は市民も利用できるようになっている。
ピアノは1923年のプレイエル社製と、1909年製「エラール」で、いずれもフランスの職人による手作り。特にプレイエルは同社工房の“黄金期”のもので、2004年にはウィーンの巨匠パウル・バドゥラ=スコダさんが波田でのホールコンサートの折、このピアノを弾きたくてわざわざ同店に立ち寄ったほどだ。
今年8月、ピアノ教室の先生に連れられて初めて来店した大田原玄揮さん(18、大阪府)は「このプレイエルの音色はすごく柔らかくて、今まで聴いたことがない音。ずっと弾いていたい」と感嘆。店のオーナー、古畑博子さん(73)はカウンターでうれしそうに音色を聴いていた。
コロナ禍以前、古畑さんは自主企画コンサートを精力的に開催。佐藤卓史さんら国内外のピアニストが出演してきたが、2019年10月の第60回コンサートを最後に途絶え、プレイエルの音色を楽しむ機会は激減した。
ことし開店20周年を迎え、「このピアノを多くの人に体験してほしい」と決意。ピアノ教室の発表会はもちろん、家族だけのコンサートなど、市民が広く弾けるようにした。
利用は土日の午前中が基本だが、相談に応じる。ピアノ使用料は2台で1万~1万5000円、ホール使用料は1万~1万3000円が目安で、人数や時間によって変わる。店にある1909年製ヤマハリードオルガンなどの試弾も可能。
「大切に弾いてくださる方なら誰でも歓迎。小さな企画のお手伝いが、これからこの2台の使命だと感じる」
同店TEL0263・92・8158(火~金曜定休)