【ガンズリポート】マッチレビュー 25節・18日山雅2-1鳥取

橋内 守備統率し5連勝

山雅が今季初の5連勝を飾った。攻守の主力を欠く中、守備ラインを統率したのは35歳のDF橋内優也。今季初めて先発したリーグ戦で、不運なオウンゴール1点に抑えた。

今季リーグ初先発ベテランの真価発揮

出場停止のDF常田克人に替わり、「いつもと変わらず準備した」と橋内。3バックの真ん中で違和感なく動き、周りに指示を与えた。
普段この位置でプレーする大野佑哉は、右に回った。橋内の指示を受けながら、「こういう選手にならないといけないと、改めて思った」という。「コミュニケーションの質がいつもより高かった。だいぶ助けられた」
体を張ったプレーも見せた。後半20分すぎ、GKと相手選手の間に体をねじ込む。左足を傷めて「情けない」と言ったが、「試合の強度があったのは後半25分まで」と名波浩監督。仕事をやり終えての退場だった。
経験も生かした戦術眼で、チームに貢献している。ほとんどの試合でベンチ入りし、「気づいたことをハーフタイムに、出場中の選手に伝える。チーム全体で“想定外の決断”を減らしたい」。
この夏、山雅はコロナ禍に見舞われたのに加え、主将だった前貴之の移籍という非常事態が続いた。後に名波監督は「橋内とGK村山智彦のおかげで、チームが落ち着いた」と振り返った。
在籍6季目。前に代わって主将に就いた橋内は、タイミングを見計らって個々の選手に言い続けているという。「クラブをJ2に戻そう。自分たちを引き上げよう」。この日、5連勝の感想を報道陣に求められても、「まだ何も勝ち得ていない」と表情を引き締めた。