歴史小説自費出版 本を書く夢実現

松本市神田1の原茂義さん(68)は、歴史時代小説「万延1860~海を渡ったサムライたち~」を自費出版した。幕末の安政7(1860)年1月に、日米修好通商条約の批准書交換のため江戸幕府が米国に派遣した「万延元年遣米使節」と、その護衛の随伴船「咸臨丸(かんりんまる)」を題材にした。

幕末「遣米使節」と「咸臨丸」題材に

主に参考にしたのは「幕末遣外使節物語」(岩波文庫)。この中の「万延(1860~61年)元年の遣米使節」で多く引用されている、使節団の副使で外国奉行の村垣範正の日記を基にしたほか、史実なども織り交ぜ半年ほどで書き上げた。
本の前半は1853年のペリー来航から開国に至るまでの激動の様子を、後半は米国経由で世界一周をした使節団一行や、咸臨丸乗船者らの外国の文化や経済、食事、建造物などに触れた「初めての驚き」が記されている。使節団と咸臨丸のそれぞれの航路も載せた。
元会社員の原さんが本格的に歴史を好きになったのは、60歳を過ぎてから。NHK大河ドラマ「篤姫」「青天を衝(つ)け」に大きな影響を受け、「自分の記憶にあるのは勝海舟が乗った咸臨丸の荒波の航海くらいだったが、わずか1年足らずの万延年間に日本人として初めて渡米した使節団や、咸臨丸の一行を詳しく掘り下げたい」と資料を集めた。
咸臨丸一行がサンフランシスコでの歓迎の宴席で初めて口にする「シャンペン」のおいしさ、披露されたダンスに驚きを隠せなかったこと、米国人が初めて見る日本人を歓迎しつつも、羽織はかまの「サムライ」姿に興味津々だった様子などを、ユーモラスにつづっている。
原さんは「本を書く夢が実現できた。限定出版なので、希望する松本近郊の中学・高校に寄贈したい」と話す。
A5判、255ページ。問い合わせは原さんTEL090・1475・1850