【なないろキッズ】 #76 チックは体質で起きる

チックは、急に体の一部が動いてしまうことを繰り返すもので、小児期に始まり、しばらく続いたり、治まったり、また出たりといったことを繰り返します。チックにはまばたき、顔をしかめる、肩をすくめる、手が動く、ジャンプする、鼻やのどを鳴らす、鼻をすする、咳き払いをする、声が出る、特定のワードを言ってしまう|などいろいろな動きがあります。
チックが出ると一般的に、「育て方が良くないのでは?」「ストレスをかけてしまったかも」などと思われることがあるようですが、チックは体質的なことで起きるものです。始まったときに仮にストレスがあったとしても、それはきっかけにすぎない(そのストレスがなくてもいずれ起きていた)と考えましょう。発症時期のピークは4、5歳で、一過性でその後ほとんど出ない方もいれば、良くなったり悪くなったりを繰り返し、思春期頃一番悪化するような方も多いものの、その後は大人になるまでに軽くなるか消失する方が半数以上といわれています。
チックの体質がある方は、チックの調子が悪いときは、疲労やストレスを軽減できるよう負荷を減らすようにしましょう。例えば運動会や音楽会など学校行事前で疲れがたまったときや、逆に行事が終わった後にチックが一時的に悪化するといったことはよくあります。担任の先生とも連絡を取って積極的に負荷を減らすようにしましょう。
短時間なら意図的にチックの動きを止めることもできないことはないのですが、それは全く意味がありません。チック自体を注意したり、我慢するように言ったりはしないでください。他児に指摘されると切ない思いをすることもあるので、本人が希望するなら周囲にもチックのことを説明して、スルーしてもらうようにお願いするのもいいかもしれません。
チックの動き自体で生活に支障をきたすほど悪化するときには、薬物療法もあるので医療機関にご相談ください。