【眺めてみれば】#12 小仁熊橋(筑北村)

ダム湖に「走行音」響かせて

水面に青空を映し込んだダム湖。その上空に架かる橋を、色とりどりのトラックや乗用車が滑るように走り抜ける。筑北村に1993年開通した橋長197メートルの長野道「小仁熊(おにくま)橋」だ。
村サッカー場から約300メートル南の観音橋近くで眺めた。移動して真下に立つと、頭上に響く走行音の中、巨大な橋脚が打ち込まれているダム湖岸までの深さに足がすくむ。ダム湖に架かる高速道路の橋は珍しいといわれる。
ダムの名も「小仁熊」。所在地に由来する「富蔵(とくら)ダム」の愛称でも親しまれている。村内を並行して流れる東条川と小仁熊川沿岸地域の洪水被害軽減や、生活用水の供給などを目的に、小仁熊川に建設された。二つの川を導水路でつなぎ、2流域の洪水調節を一つのダムで行っているのも見どころだ。