JALの機内食をヒカリヤが監修 「サバみそ」で信州の食PR

「レストランヒカリヤ」など、松本市内を中心に飲食・宿泊施設を展開する扉グループ統括総料理長、田辺真宏さん(47)が9月の日本航空(JAL)国内線ファーストクラスの機内食(夕食)を監修し、信州の食のPRに一役買った。
「信州サーモンの千草焼き」「白馬豚の塩こうじ焼き」と並び、田辺さんがメイン料理に選んだのが「松本産のみそを使ったサバのみそ煮」。確かに信州といえば、みそのイメージは強いが、「なぜ庶民の味をファーストクラスに?」という疑問もわく。
そこで日本料理「ヒカリヤヒガシ」(大手4)の厨房を訪ね、監修にも加わった扉グループ和食統括料理長の高橋有希さん(43)に、サバみそに込めた思いなどを聞いた。

こだわりの味搭乗客に好評

サバみそを監修した高橋有希さんは佐久市出身。東京の一流料亭などで修業後、昨年3月、扉グループの和食統括料理長に就任した。
最初に高橋さんにサバみそを機内食で出した理由を聞いた。返ってきた答えは「メニュー作りの際、コンセプトにしたのが『つなぐ』だから」という。
「かつて松本地方で食べられた海の魚は、はるばる日本海から街道を運ばれてきた。そうした松本の食の歴史的、地域的つながりを象徴する魚料理と捉え、メニューに盛り込んだ」
今年で創業190年の老舗、松本の「萬年屋」(城東2)のみそを使った。伝統のみそ玉仕込みのみそなど、同店の5種類をブレンド。砂糖、みりんなどの調味料を加え、味を決めた。高橋さんは「味はもちろん、古来のみそ造りを今につないでいる点にも着目した」と説明した。
完成したサバみそを試食させてもらうと、奥行きのあるみその風味が生きたまま口に広がった。サバ特有の臭みや脂っぽさは一切なかった。
家庭でこの味を出すにはどうしたらいいのか。高橋さんはひと言「丁寧な下処理が大切」。サバの切り身から小骨を抜き、軽く塩を振る。浮き出た水分をふき取り、皮に切りこみを入れたらお湯に通し、氷水にさらす。
「こうしてサバの臭みとぬめりを取る。切れ目を入れてあるので、サバを煮るのは4、5分で十分」。実際、試食したサバもゴボウとショウガが入った煮汁で4分程度しか煮なかった。高橋さんは「サバみそはみそが主役。煮過ぎると、みその風味が損なわれる」と注意点を付け加えた。
こだわりの詰まったサバみそは搭乗客に「とてもおいしいと大好評だった」(JAL広報)という。高橋さんは今回の監修について、「ヒカリヤと信州の味に満足してもらったことに加え、食材の生産者との絆をさらに深める、いい機会になった」と振り返った。