まつもと演劇祭で旗揚げ公演 新ユニット結成・こたとのぼるさん

演劇が盛んな東京・下北沢などで長年役者や演出家として活動してきた男性が、松本市で新しい劇団ユニットを立ち上げた。
こたとのぼる(本名・古田土昇)さん(58、松本市筑摩)。生まれつきの持病で、20歳までの命と医師に告げられたが、人工透析で命をつないできた。妻の河野晴美さん(54)と療養で来た松本が気に入り移住。人生の後半を、この町で後進の育成にささげると決めた。
新ユニット「アルプス乙女ユニオンズ」は、14日から市内で始まる「まつもと演劇祭」で旗揚げ公演。チェーホフの戯曲「三人姉妹」のその後を描いたオリジナル作で、こたとさんが演出する。

公演に向けて「稽古」にも熱

2日夜、公演まで2週間と迫った「アルプス乙女ユニオンズ」の稽古場。夕食を終えて戻ってきた、こたとのぼるさんは、酸素吸入をしていても息が切れ、苦しそうな表情。話をするのもやっとだ。
午後7時すぎ、稽古が再開。劇の終盤、重要なラストシーン。こたとさんは台本を手にやりとりを見ていたが、だんだんボルテージが上がってきた。
「相手との距離を考えて」「目線は上」「もっといい顔を」。役者の立ち位置や距離、表情や目線、せりふの声質やスピードに至るまで、次々と細かく指示が飛ぶ。役者もそれに従い、何度も同じシーンを繰り返し、演技を修正していく。熱のこもった稽古はこの日、7時間にも及んだ。

病気との闘い東京から移住

東京都出身のこたとさん。生まれつき腎臓が悪く、小学校時代は運動を止められるなど不自由な生活を強いられた。そんなさなか、公民館の教室で演劇に出合った。「非日常感が味わえる」と夢中になった。
20歳で高校を卒業。人工透析をしながらの生活の中、劇団の研究生になった。遠方の公演が続くなど体力的な限界から28歳で辞め、公務員として働きながら社会人劇団に所属。次第に演じることより演出が面白くなった。芝居を通じて知り合った河野晴美さん(54)と結婚、河野さんの実家がある下北沢を拠点に劇団を主宰、演出家としても活躍してきたが、10年前に心筋梗塞で倒れ、一命を取りとめた。
松本との縁は6年前、演劇の公演がきっかけだった。最初は静養のつもりで来たが、地方都市としては演劇が盛んなこと、医療体制が整っていたこともあり、3年前に移住を決断した。
演劇の経験を若手に伝えることを自身の使命と考え、誰でも幅広く受け入れられる場として昨秋、アルプス乙女ユニオンズを結成。今年5月から市内の公民館で月数回、演劇を学びたい若手や他劇団に所属している人にも門戸を開き稽古している。
今回の旗揚げ公演では、チェーホフの戯曲「三人姉妹」を基に、その17年後を描いたオリジナルの「秋の庭~三人姉妹のその後の話~」を初披露。演劇4年目というアンドレイ役の村上信正さん(51、安曇野市)は「客に表情が見える角度や感情の出し方など、全てが学び。いい経験を積ませてもらっている」。演劇歴約30年のベテラン、マーシャ役の覇(は)月(づき)讃(さら)良(ら)さん(48、長野市)も「こたとさんの演出は明快で、指摘も共感できる。役者は自分の役の目線でしか見られないが、全体を見てくれる」と全幅の信頼を寄せる。
こたとさんは「かっこ悪いけど、本気にならないと伝わらない。熱量が役者を通して客に伝わっていけば」。オリガ役の河野さんは「古典は敷居が高いと思われがちだが、身近な家族の話として共感してもらえると思う」。人生と希望を表現する。

東京都出身のこたとさん。生まれつき腎臓が悪く、小学校時代は運動を止められるなど不自由な生活を強いられた。そんなさなか、公民館の教室で演劇に出合った。「非日常感が味わえる」と夢中になった。
20歳で高校を卒業。人工透析をしながらの生活の中、劇団の研究生になった。遠方の公演が続くなど体力的な限界から28歳で辞め、公務員として働きながら社会人劇団に所属。次第に演じることより演出が面白くなった。芝居を通じて知り合った河野晴美さん(54)と結婚、河野さんの実家がある下北沢を拠点に劇団を主宰、演出家としても活躍してきたが、10年前に心筋梗塞で倒れ、一命を取りとめた。
松本との縁は6年前、演劇の公演がきっかけだった。最初は静養のつもりで来たが、地方都市としては演劇が盛んなこと、医療体制が整っていたこともあり、3年前に移住を決断した。
演劇の経験を若手に伝えることを自身の使命と考え、誰でも幅広く受け入れられる場として昨秋、アルプス乙女ユニオンズを結成。今年5月から市内の公民館で月数回、演劇を学びたい若手や他劇団に所属している人にも門戸を開き稽古している。
今回の旗揚げ公演では、チェーホフの戯曲「三人姉妹」を基に、その17年後を描いたオリジナルの「秋の庭~三人姉妹のその後の話~」を初披露。演劇4年目というアンドレイ役の村上信正さん(51、安曇野市)は「客に表情が見える角度や感情の出し方など、全てが学び。いい経験を積ませてもらっている」。演劇歴約30年のベテラン、マーシャ役の覇(は)月(づき)讃(さら)良(ら)さん(48、長野市)も「こたとさんの演出は明快で、指摘も共感できる。役者は自分の役の目線でしか見られないが、全体を見てくれる」と全幅の信頼を寄せる。
こたとさんは「かっこ悪いけど、本気にならないと伝わらない。熱量が役者を通して客に伝わっていけば」。オリガ役の河野さんは「古典は敷居が高いと思われがちだが、身近な家族の話として共感してもらえると思う」。人生と希望を表現する。

【「秋の庭」公演予定】
15日午後3時と7時半、16日午後0時半と5時、信濃ギャラリー(大手4)。演劇祭共通パスポートは前売り2000円(当日3000円、U25割引あり)、単券1500円。詳細はウェブサイト(「まつもと演劇祭」で検索)。