安曇野の三吉さん 農業の背景も届け「新ブランド」発足

安曇野市の農業、三吉(みよし)雅子さん(49、堀金三田)が自身のブランド「あづみの野菜FARMSANKICH!(ファーム・サンキチ)」を発足、10日にECサイト(品物を売るサイト)を立ち上げた。野菜をおいしく食べてもらい、栽培地の自然や栽培の苦労、収穫の喜びなど、農産物の背景まで届けたいという。
食べ方のレシピを入れる、といった発信だけでなく、消費者の工夫も聞いて情報をキャッチボールし、畑と食卓を直結させる。
天候に左右されない安定生産を目指し、国の補助を受け、ハウス5棟(連棟2棟、単棟3棟)も建設。地域の雇用創出につながり、生産者のネット販売のモデルケースにもなる。「生産者、消費者、みんなで育ててもらうブランドに」と張り切る。

農業体験を機に「東京」から移住

「あづみの野菜FARMSANKICH!」。このブランドを立ち上げたのは、安曇野市内にある生産者グループのメンバー、三吉雅子さんだ。コンセプトは「その旬感恋が始まるあづみの野菜」だ。
ロゴは緑色で、消印のようなデザイン。葉物と根菜を組み合わせた空想の野菜を上向きに配し、「紙飛行機のように飛ばす。新鮮な野菜を届ける」という思いを込めた。サプライズも提供したいと、SANKICHIのIを、小文字のiをひっくり返してびっくりマーク「!」にした。
三吉さんは東京で暮らしていた頃、持病が悪化。安曇野市で農業体験をするうち、野菜と、そこで食べる食事のおいしさに感動し、移住を決意した。料理を提供する仕事をした時、料理や食材の背景を伝えると、食べた人が笑顔になることに気づいたという。「おいしく食べ、感動をプレゼントする仕事がしたい」と、農業を志した。
2011年に就農したが、知識も技術もなく飛び込んだ世界。手探り状態で、何を作っていいのかも分からない。近所の農家の女性に聞いたり、直売所に出ている野菜を見たり。失敗を重ねながら、手に取ってもらえる個性的な野菜を作るようになったという。
これまでは飲食店やホテルなど、業務用の野菜を栽培していたが、「多くの人に農作業の苦労や感動を伝え、食べる人の生活の一部になりたい」という気持ちがさらに強くなった。

消費者と一緒に育てていきたい

農水省の担い手確保・経営強化支援事業の補助を受け、ビニールハウスを5棟建てたり、県の産業振興機構、地域資源製品開発支援センターの支援を受けたりして、ECサイトを作り、野菜をネットで販売することにした。自身のブランド「あづみの野菜FARM|」を立ち上げた。
「現実に販売することと、消費者に喜んでもらいたいという思いの両方をかなえよう。消費者とつながる農業をやろう|と思ったら、ネット販売になった」と三吉さん。「できる範囲で」をモットーに、段ボールにロゴなどを印刷するのではなく、判を作って押すなど工夫を重ねた。「困り事は最低限にして、楽しんでできるようにした。ネット販売のハードルを下げ、農業の可能性を広げられたらいい」と力を込める。
従業員も5人集まり、今後1、2年で業務用、ネット販売含めたトータル1800万円の売り上げを目指す。これからどんな壁にぶつかるか分からないとしながらも、「わくわくしながら、消費者と一緒にブランドを育てていきたい。安曇野の魅力を詰め込んだおいしい野菜を届けたい」と意気込む。
ネットショップはhttps://tsuku2.jp/sankichi-farm