“先人の思い承継”年に1度の松本城黒漆塗り

黒漆と白いしっくい壁のコントラストが青空に映える国宝・松本城(松本市)。その天守と月見櫓(やぐら)で、漆の塗り直しが行われている。城の特徴を生かし保全する年1回の重要な作業だ。
深志3で漆器店を営む碇屋公章さん(69)、公一さん(40)親子ら5人の職人が手掛ける。公章さんの父儀一さん(故)が請け負った1965(昭和40)年から続いている。黒い漆塗りの壁を持つ城は全国で唯一。
9月初めから10月20日ころまで、50日ほどで仕上げる。漆が乾くためには60%程度の湿度が必要。気温は20度前後と暑さが和らぎ、雨の日もあるこの時季が、漆塗りに適しているという。
「先人の思いを受け継ぎ、松本城を守るという使命感がある」。漆塗り3代目の公一さんは、きっぱりと言った。