鎌田中吹奏楽部 心ひとつに2年連続全国へ 目指すは金賞

松本市の鎌田中学校吹奏楽部(66人)が22日、名古屋市で開く「第70回全日本吹奏楽コンクール中学校の部」に、2年連続で出場する。1940年から続く国内最大の音楽コンクール。全国から6500校を超える中学校が参加し、出場できるのはわずか30校。東海大会までの各予選を、全て金賞で勝ち抜いた。
今年は例年以上に練習時間の確保が難しく、コロナ禍の休校や長期間の部活停止など、仲間と合奏できない日々が続いた。それでも誰一人諦めずに前を向き、「ONETEAM鎌田」で全国大会出場をつかんだ。
中学生が全国大会で演奏するのは初という難曲で挑む。3年の岩原夏美部長(15)は「人前で演奏できる喜びを胸に、全員で心に響く演奏をしたい。目指すは金賞」と力を込める。

全国大会に2年連続で出場する鎌田中吹奏楽部。16日は松本市のキッセイ文化ホールで午前9時48分、全国大会と同じ時刻にステージ演奏をしてみるなど、本番を意識して練習した。
地区大会、県大会、東海大会まで全ての予選で金賞を受賞。全国出場(3枠)を懸けて5県の代表20校が出場した東海大会は、技術、表現力ともに審査員の高い評価を得て、2年連続最優秀賞に輝いた。
好成績を収めた同部も今年は、新型コロナの影響で、思うような練習ができず苦労してきた。1月下旬、コロナ禍で休校となり、その後も3月まで、集まって部の練習をすることができなかった。大所帯の同部は、密になることから練習場所の確保も困難に。「時間ばかりが過ぎて、不安と焦りでいっぱいだった」と岩原夏美部長。
そんな部員たちを救ったのが「オンライン部活」だ。学校の授業で使っている個人タブレット端末を使い、ウェブ上に吹奏楽部の「クラスルーム」を開設。顧問の塚田理恵教諭が譜読みの音楽講座を開いたり、リモートで家にいながら部員同士が顔を合わせたりして、一人一人の心をつないだことが、後々の演奏や活動にもいい結果をもたらしたという。
コンクールでは課題曲Ⅳの「サーカスハットマーチ」(奥本伴在作曲)と自由曲の計2曲を演奏する。鎌田中が今年、自由曲に選んだ曲は、「吹奏楽のための協奏曲」(高昌帥作曲)。全国屈指の強豪、大阪桐蔭高校が2021年、全国大会高校の部で金賞を受賞した曲だ。金管楽器の力強いファンファーレから始まり、木管楽器の歌い上げるような響きなど、聞かせどころがたっぷりある。この難曲を中学生が全国大会で演奏した前例はなく、鎌田中が新たな歴史を刻む。
3年生で副部長の三井彩綾さん(14)は「今までで一番難しい曲。自分たちにできるのか不安だったけれど、『吹けたらかっこいい』という一心で練習してきた」。もう一人の副部長で、フルートのソロを担当する鳥居遥さん(15)は「緊張するが、音が震えないように堂々と演奏したい」。
今年の3年生は、1年生の時、コロナ禍でコンクールが中止になった世代。「それでも私たちのために引退せずに活動を続け、教えてくれた先輩たちがいたからこそ、今の私たちがいる」と岩原部長は語る。
11月26日には、一般入場できる「サンクスコンサート」を同ホールで開く。コンクールの曲をはじめ、ポップスやOBとの共演ステージも初めて企画し、これまで支えてくれた人たちに感謝の音色を届ける。午後1時開演。無料。同校TEL0263・25・1088