【ガンズリポート】マッチレビュー 29節・15日山雅2-1岐阜

田中パ値千金2ゴール

松本山雅FCが、リーグ後半戦で初めて逆転勝ちした。立役者は、これまで出場機会に恵まれなかったMF田中パウロ淳一。0-1の後半開始から投入され、2得点した。苦しいシーズンを送ってきた28歳は、「居残り練習の成果が出た」と晴れやかに話した。

腐らず居残り練習実る 後半戦初の逆転勝ち

ピッチに出て3分後だった。FWルカオのパスを受け、左足を振る。最初のシュートでネットを揺らした。
後半26分は左クロスを狙う。「勝手に体が動いた」。落ち際に左足を当てて、ゴールの枠へ送り込んだ。
日々の練習が実を結んだ。攻撃陣は全体練習の後、名波浩監督が出すさまざまなパスに合わせてゴールを狙うのが日課。この日2点目のようなシュートも経験していたという。
ただ、居残り練習は自由参加だ。田中パは「“早よ帰ろ”と思っていた時期があった」と明かす。5、6月の公式戦で4試合に先発したが、ベンチにも入れない期間が長く、「今季は2回くらい集中が切れた」。
そんな時、「仲間が『練習しようぜ』って励ましてくれた。そうじゃなかったら居残りしなかった」。結果が出て、「サッカーはチームスポーツだと思った」と言い、2点目を決めた時は、感謝の思いでベンチへ走った。
この日はDF篠原弘次郎も、大けがから1年半ぶりにピッチに戻って先発した。「先制されたが、前向きに盛り上げていこうと」と、4試合ぶりの勝利に貢献した。
「10月が勝負」と話していた名波監督は、春先から夏場まできつい練習を課した。コンディションが整った今、残り5試合の総力戦に臨む。