クレソンを小谷村の特産品に 活用レシピ紹介

クレソンを地域の特産品に―。試験栽培が進む小谷村で先月、需要と生産拡大を狙い、地元シェフが考案したメニューの提案会(主催・県北アルプス農業農村支援センター)があった。ピリッとした辛みや独特な香りがするクレソン。肉料理の付け合わせなど脇役的な活用は多いが、特性を生かした料理法はあまり知られていない。同会で提案された6品には家庭でも手軽に作れるものもあり、2品を紙面で紹介する。
複合拠点施設おたりつぐらで開かれた「クレソンの活用提案会」では、野菜ソムリエプロの平瀬久美子さん(白馬村)が、成長が早く繁殖力が強い欧州原産のクレソンの特徴を解説。抗菌作用や血液酸化防止の効果があり、βカロテンなども豊富に含むという。「ぬれた新聞紙でくるみ立てた状態で保存すると長持ちする」などとアドバイスした。
依頼を受け料理を考案したのは、全日本司(し)厨士(ちゅうし)協会長野県本部北アルプス支部のシェフ4人。地場産クレソンの味や食感、香りを生かすこつを交えて調理を実演し、サラダや冷製パスタ、ギョーザ、卵スープ、魚のポワレ、エスカルゴバターの計6品を紹介した。
同支部長でシェラリゾートホテルズ総料理長の金澤光久さん(50)は、市場出荷されている部分以外の茎、葉も使ったサラダを提案。「高級なイメージがあるが、地元のものとしてもっと手軽に食べられるおいしい食材だと知られ、特産化が進めば」と願った。
村内で宿を営む遠藤道子さん(69)は、「エスカルゴバターをクレソンで作る発想はなかった。ジェノベーゼソースは冷凍保存もできると聞いた。作りやすい料理が多く、スキーシーズンにも宿泊客に提供できればいい」と期待した。
同会には小谷村商工会婦人部、県や小谷、白馬村、JA関係者ら約20人が参加。特産品化の取り組みの経過や現状なども聞いた。
清水が豊富な小谷村では、地域に自生していて栽培が容易な点に着目し、中山間地域の遊休農地の活用や特産づくりにと、2019年度から村内にモデルほ場を設けて試験栽培が行われている。

小谷の絶品クレソンとベーコンのサラダ

(シェラリゾートホテルズ総料理長 金澤光久さん)

材料(2人分)
クレソン(適度に摘む) ……… 適量
塩・こしょう ……… 少々
【ドレッシングベース】   
 タマネギ(みじん切り) ……… 10㌘
 オリーブオイル ……… 20cc
 白ワインビネガー ……… 5cc
 塩・こしょう ……… 少々
【 ベーコンオイル 】    
 ベーコン(拍子木切り) ……… 30㌘
 オリーブオイル ……… 20cc

作り方
① 事前にドレッシングベースの材料を混ぜ合わせる(多めに作り、ペットボトルや空き瓶などで冷蔵保存しておくと便利)。
② フライパンにオリーブオイルとベーコンを入れ、オイルにベーコンのうまみと香りを移すように、ごく弱火でじっくりとカリカリになるまで炒める。
③ ②のベーコンオイルに、①を適宜加え、混ぜ合わせる。
④ ボウルにクレソンを入れ、③を加えて塩・こしょうで味を調える。

◇ ◇ ◇

クレソン冷製ジェノベーゼパスタ

(TSUGA BASE料理人 手塚駿さん)

材料(2人分)
クレソン………60㌘
オリーブオイル ……… 80㌘
ニンニク ……… 1片
粉チーズ ……… 20㌘
クルミ ……… 10㌘
塩 ……… 少々
パスタ(細めのもの) ……… 200㌘
トマト ……… 1個

作り方
① パスタとトマト以外の材料をフードプロセッサーにかけて、ジェノベーゼソースを作る(フードプロセッサーがない場合は、クレソン、ニンニク、クルミをみじん切りにして、ボウルに入れて他の材料と混ぜ合わせる)。
② トマトは1㌢角に刻む。
パスタは規定の時間より1分長くゆでる。ゆで上がったパスタを冷水で冷やし、水気をよく切る。
③ ボウルでソースと合わせ、器に盛り付ける。
④ トマトを散らし、刻まないクレソン(分量外)を上に飾り、オリーブオイル(同)をかけ、軽く塩を振る。