本に携わる4人に聞く 子どもにお薦めの1冊

秋の恒例行事「読書週間」が27日から始まります(11月9日まで)。本に携わる4人に、幼児や小中学生にお薦めの本を1冊ずつ紹介してもらいました。

塩尻市立図書館読書アドバイザー 絵本専門士・司書
北原まりさん(61、松本市)

「はだしであるく」(作・村中李衣、絵・石川えりこ、あすなろ書房)=幼児向け
女の子がはだしでいろいろな場所を踏みしめ、足の裏で地球を感じるお話です。作者の村中さんが、実際にはだしで生活した体験を基に書きました。
私たち現代人は、昔に比べるとはだしで過ごす機会が随分減りました。読んだ後はぜひ親子で公園や庭を歩いてみてください。
日陰は冷たいかな、土の上はざらざらしているかな…頭で想像することと実際の感触の違いなどを感じてほしいです。これからの時季は落ち葉の上を歩いても楽しいです。

松本市中央図書館 児童室担当・司書
亀井瑠奈さん(24、安曇野市)

「もりのかくれんぼう」(作・末吉暁子、絵・林明子、偕成社)=小学校低学年向け
かくれんぼが大好きなけいこは公園からの帰り道、金色の森へ迷い込みます。そこに現れた「もりのかくれんぼう」に誘われて、動物たちも一緒に隠れん坊遊びが始まります。
森の仲間たちは、本当に絵の中でかくれんぼをしています。オニになって一緒に探してみましょう。見つからないときは、「もりのかくれんぼう」に従って本を逆さに見てみるといいですよ。
得意げに隠れていたり、見つかってちょっぴり悔しそうな顔をしていたり。じっくり眺めると面白いです。
大人が読んであげるのもいいですが、全文ひらがななので一人読みにもお薦めです。

JPIC読書アドバイザー 絵本専門士
豊嶋さおりさん(松本市)

「グリムのむかしばなし1巻、2巻」(訳・松岡享子、編・絵・ワンダ・ガアグ、のら書店)=小学校高学年向け
頭の中で物語を想像できるようになると、本を読むのがどんどん楽しくなります。「本は苦手」という子どもには昔話をお薦めします。口伝えで伝承されてきたので情景を思い描きやすいからです。
1巻は「ヘンゼルとグレーテル」など7話、2巻は「ブレーメンの音楽隊」など9話を収録。一つ一つが短いので手軽に読めますが読み応えは十分です。
巻末にはワンダの生涯やグリムへの思いなどもつづられています。それらを読んだ後にもう一度読むと、違う見方になるかもしれません。

子どもの本の専門店 「ちいさいおうち書店」店長
越高一夫さん(71、松本市)

「いのちの木のあるところ」(作・新藤悦子、絵・佐竹美保、福音館書店)=中学生向け
舞台は800年前のトルコ。自由闊達(かったつ)な少女の成長と、人々が願いをささげてきた伝説の木を、祈りの場のモスクに宿らせようと挑んだ人々の物語です。
小さな国のトゥーラーン王女は小さい頃から本が大好き。親が決めた結婚は望まず、物語の主人公たちのように自由に生きたいと思っていました。
ある時、山奥にある小さな王国ディヴリーを訪れ、王子アフマドシャーと出会います。2人は結婚し、大モスクと治癒院を建てるという壮大な共同事業を始めることに─。
中学生になると何となく将来について考え始めます。自分のやりたいことを探し続け、行動する王女の姿は、何かヒントを与えてくれるかもしれません。