木曽ペインティングス「僕らの美術室」

11月7日まで空き家など14会場

芸術祭「木曽ペインティングス」は11月7日まで、木祖村と木曽町、王滝村で開いている。学生や高校生を含む、多彩なジャンルのアーティスト約30人が、空き家や空き店舗、公共施設など14会場に、絵画や空間芸術などを展示している。

「実験」楽しむような空間

6回目の今年のテーマは「僕らの美術室」。「想像力を広げ、自分たちをどこにでも連れ出してくれる空間」という美術室を、あちこちに出現させた。
作家はそれぞれの展示会場や、木曽の風土からイメージを膨らませて創作した。生活用具を組み合わせ、空き家の記憶を呼び覚ます意図など、作家自身が「美術室での実験」を楽しんでいるかのような作品が多い。
木祖村小木曽の旧農家「向畑(むけばた)」の離れに、「だれもいない部屋は今」と題する展示をした中條聡さん(28、松本市)は「いろいろなものを見てきた部屋が、誰もいなくなった中で、どんな夢を見ているかを想像した。部屋からさまざまなインスピレーションがもらえ、楽しく創作できた」と話す。
木祖村郷土館(薮原)での特別企画「フィヨルド派展2222」は、200年後の木曽を想像した作家9人の作品を、郷土資料が並ぶガラスケース内に一緒に展示。地域の歴史と、想像の未来を行き来する感覚が楽しい。
木曽町福島では、うなぎ店などの空き店舗が会場に。近くで漆器店を営む三上肇さん(51)は「小学校の下校時に、ウナギを焼く香りが漂っていた思い出の場所。アート企画は面白いし、旧店舗に入るのも楽しみ」。
今回初めて会場を設けた王滝村は、王滝小学校の全児童11人が、出展作家とワークショップで制作した作品が並ぶ旧王滝食堂など3カ所が会場。
23日に村内や各会場を巡った会社員の太田なつみさん(24、長野市)と加藤なぎさん(24、池田町)は「地域とアーティストが共存している感覚が伝わり、興味深かった。会場に向かうドライブで秋の風景も楽しめた」と満足そうだった。
各会場とも入場無料。月曜休み(一部を除く)。関連イベントやワークショップなど詳細は公式ホームページ=こちら=で。問い合わせは事務局TEL050・3700・5277