【ガンズリポート】シゴトを語る #14 運営部・松本竜平さん

サポーターの姿に心震える

主にチケットの販売を担当しています。10月30日の信州ダービーは、観客数でJ3記録の1万6027人を超えたいと思っていました。悩ましかったのは、声出し応援エリアの範囲です。声援はチームの力になりますが、コロナ感染防止対策で、席数の50%しか観客を入れることができません。
迷いましたが、なるべく多くの人にダービーを見てもらおうと、ホーム側の声出しエリアは南側ゴール裏だけにしました。
前売り券の売れ行きは、途中まで心配なペース。社員に「プッシュをお願い」と呼びかけました。街頭でチラシを配る地道な作業を、何度もやってもらった効果で完売しました。
当日、実際に来られたのは1万5912人。記録更新はなりませんでしたが、客席がほぼ埋まり、その光景に心が震えました。
以前は、建材メーカーで営業をしていました。転勤先が全国にある会社です。地元の東京に帰った時、祭りでみこしを担ぐ友達を見て、うらやましいと思いました。街に帰属して、盛り上げている感じ。自分もどこかに根付いた仕事がしたいと思いました。
それから何年もたち、「こういう仕事がある」と紹介されたのが山雅でした。声をかけてくれたのは、山雅と仕事をしている元同級生。趣味で続けていたサッカーの仲間でもありました。
「僕でいいのか」と気後れしましたが、「サッカーの仕事ができる」という思いが勝り、話を進めてもらいました。2018年に入社しました。
初めはグッズ担当で、在庫管理や配送などをしました。前職と畑違いの仕事でしたが、人を支えるという感じが、僕に合っていました。最初に山雅サポーターの声援を聞いた時も、心が震えました。「どこからこんなに来るんだろう」と、観客数にも驚きました。
去年から、運営担当になりました。コロナ禍で寂しさを感じる時もありましたが、ダービーの雰囲気はうれしかった。20日のホーム最終戦も、一体感のあるサンアルにしたいです。みんなが山雅本来の応援を思い出し、来季につながれば。
心がけているのは、スタジアムでお客さんを喜ばせ、楽しい思い出をつくってもらうことです。例えるなら、祭り。「また来たい」という声がやりがいです。シャトルバス乗り場での見送りの仕事もあるのですが、ダービーの後は皆さん、いい顔をしていました。