聖地・信州に山岳映画製作の仲間を

北アルプスの山々を愛し、頂上を極める感動を数十分の短編映画に記録し続ける登山家がいる。「SES山岳映画サロン」主宰の茂木実さん (86、埼玉県新座市)。「登山の聖地からも私たちの輪に」と信州の登山家に参加を求めている。
茂木さんは東京出身。高校で登山を始めた。就職後、山岳映画に魅了され、中古の8ミリカメラ片手に登るようになった。1969(昭和44)年、著名なアマチュア山岳映画家らが同サロンを結成。茂木さんも参画し、働きながら撮影と上映会開催に奔走した。
「登山ブームで上映会はいつも1000人を超す参加者で満員。サロン会員も40人を超えていました。穂高、槍、常念、白馬など北アルプスは、撮るのも見るのも人気でした」
カメラやフィルムは高価だった。「新しいものを買うため毎日残業。カメラは重く登山が大変でした。今は手軽なスマホでの製作がお勧め」と笑う。
これまで85本の映画を製作し「山岳映画はただの登山ガイドではない」と強調する。映像を編集しナレーションや字幕、音楽を入れ、ストーリーを持たせる。7月に白馬村の八方尾根で撮った映画でも、かれんな高山植物を紹介し、登山仲間の語らいを聞かせる。
「山頂からの絶景、自然との触れ合い、登山家同士の友情など、感動と詩情を表現してこそ山岳映画。編集に時間がかかりますが、いい作品ができると喜びもひとしおです」
後進育成にも当たるが、20年ほど前から愛好家が減り始め、現在サロン会員は12人。60~80歳代と高齢化し、都内で開く年2回の上映会の参加者も150人前後になった。
茂木さんは「以前は松本市在住の会員がいましたが、今は長野県人はいません。一緒に長野の山で映画を撮り、山岳映画の灯を守りましょう」と訴える。茂木さんTEL0424・73・8983