松本駅前でスナックを経営する松井さん 出会い大切に

JC会員として「防災」にも力

「『今日は何かあるかな?』と毎日、わくわくが止まりません」。真っ白い歯が印象的な笑顔を見せながら話す松井愛実さん(29)は、松本駅前のスナック「ROMANEE(ロマネ)」(松本市中央1)の経営者。松本青年会議所(JC)唯一の20代会員でもある。「人と会う」ことを一番大切にしている。
経営する「ROMANEE」は、駅前の雑居ビルの最上階。カウンターとボックス席の他、10人以上が座れる隠し部屋のような個室もある。
茶系を基調にした落ち着いた店の雰囲気そのままに、主な客の年齢層は中高年。接待使いも多いという。
およそ4年間、松本の「夜の店」で働き、2019年3月に独立して店を開いた。出だしは好調だったが、間もなくコロナ禍に。それでもここまで持ちこたえられたのは、屈託のない笑顔で客の「良さ」を見つけ、受け入れることをモットーにしてきたからだ。
「雇われている時は『自分さえよければ』という考えもあったが、経営者になってからは自分の尺度で測らず、人の得意なこと、好きなことを伸ばすように心がけた。従業員と話す時間が増えた」
こうした考え方になったのも、客のアドバイスによる。「お客さんに経営者が多く、本当に勉強させてもらっています」と感謝する。

秋田県湯沢市出身。高校卒業後に上京し、美容の専門学校に通う傍ら、生活費を稼ぐために新宿歌舞伎町で働いた。
縁あって20代前半に松本に移住。街並みや人の温かさなどから「すぐに松本が大好きになった。自分で商売するならここ」と決めた。
松本JCには19年4月に準会員として入り、20年1月から正会員に。入会当初から地域の防災事業に携わり、本年度はその役目を担う「強靱化実現委員会」の委員長に就いた。
同JCは昨年度、市社会福祉協議会と災害協定を結び、本年度は炊き出しボランティアなどで、その協力をいっそう深化させている。「松本で大災害などがあった場合に、先頭に立つ覚悟でいます」と力を込める。

現在は、日中は客との付き合いでゴルフやランチなどに出かけるほか、資料作りなどJCの活動にも時間を費やす。夜は店を切り盛りするのに加え、JCの会合などでスケジュールが埋まる。
来年は、美容系の新事業を始める予定。「時間が足りない」と嘆きながら「毎日、誰と会えるかが楽しみ。30歳になったら、どんな世界が待っているか、さらに楽しみ」と笑顔を見せる。