サッカー「旗振り隊」中山さん 信州から日本代表にエール

熱戦が続くサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。23日の初戦でドイツに歴史的勝利を収めた日本代表チームの試合映像を、特別な思いで見守る男性がいた。塩尻市の中山裕幸さん(45)。日本代表の試合会場で、最前列に陣取り大旗を振る「旗振り隊」の一人だ。
23日夜、松本市内のスポーツバー。中山さんは、妻と友人のサポーター5人で観戦した。新しくオーダーしたユニホームの背中には、自身が振る大旗と同じ「武魂(ぶこん)」の文字。個人的に応援しており、大旗にもデザインしている前田大然選手(セルティック、元松本山雅FC)の手持ち旗も用意した。
熱烈なサッカーファンの中山さん。Jリーグの創設時から応援し、普段は地元山雅を、日本代表戦は年に数回、スタジアムで応援するようになった。
転機は2015年。U-21(21歳以下)の日本代表戦が、松本市のアルウィン(当時)で開催された。この時、友人を介して旗振り隊の一人と知り合った。最前線で大旗を振り、サポーターを鼓舞する姿がかっこいい。すぐに魅了された。
17年に念願かない、旗振り隊に加入。中山さんのデビュー戦は、日本が前回W杯(ロシア大会)への出場を決めた、アジア最終予選のオーストラリア戦。応援が選手に届き、得られた勝利に夢中になった。以降、中山さんにとって、大旗振りは「最大の生きがいとやりがい」に。サッカーを通じて全国にできた仲間も大きな財産となった。
そして訪れたコロナ禍。無観客試合や、応援で声が出せないなど、旗振り隊としてもつらい時期が続いた。だからこそ「応援できるありがたさを、身に染みて感じた」。
今回のW杯も現地での旗振りを夢見たが、コロナ禍や休暇の関係で断念。「一戦一戦勝ちを積み重ねて、予選リーグ突破を」と、信州からエールを送り続ける。