【野遊びのススメ】#41 星空観察

星座・惑星見方やこつは?

12月22日の冬至に向かって、夜は長くなるばかり。空気も澄んできて、星を見るにはいい季節になってきた。今頃は、どんな星が見えるのか。こつはあるのだろうか。11月中旬、天文愛好家グループ「塩尻星の会」代表の百瀬雅彦さん(58)に、塩尻北部公園(塩尻市広丘原新田)で一緒に夜空を見上げてもらった。

しっかり防寒し楽しんで

「秋の星座は明るくないんです」。最初に百瀬さんが言った。そうなのか…。私の気持ちを見透かすように、百瀬さんはすぐに言い添えた。「ただ、まだ夏の星座が見えます」
その一つが、はくちょう座。この日は午後6時過ぎ、西の空を見ると、きれいな十字形が見つかった。南半球で見られる南十字星になぞらえて、「北十字」の呼び名もある。
「もう少し日がたつと、日没後、ハクチョウが真っ逆さまに北アルプスに沈んでいきます」と百瀬さん。
夏の星が冬の序盤でも見えることを知らなかったが、そんな鮮烈な“退場”の仕方をするとは。「うまくできている」と感心した。
今は、南の空で木星がひときわ明るい。西の方には土星が浮かび、東からは火星が上ってくる。三つの惑星が同じ空に見える。「日々移動するので、位置関係を追うのも惑星を見る楽しみ」と百瀬さん。
星そのものの姿を見るには、望遠鏡や双眼鏡の出番だ。「小さめですが」と百瀬さんがのぞかせてくれたのは口径75ミリの望遠鏡。それでも、木星のしま模様や土星の輪が見えた。「おおー」と思わず声が出た。
テレビや図鑑で見た姿が、生の光でじかに自分の目に届いていると思うと、ちょっと興奮する。木星の近くには、小さな四つの衛星も見えた。小さくとも望遠鏡によって見える世界は一変し、「お星さま」は「天体」になる。
道具より集中力が試されるのが、流れ星。12月14日には「ふたご座流星群」が出現のピークを迎える。
百瀬さんにお薦めの星空観察スポットを尋ねると、「特定の場所というより」と、「暗くて見晴らしがいいところ」というポイントを教えてくれた。街灯があっても、光が直接目に入らないように遮れば、だいぶよく見えるようになる。
百瀬さんは、子どもの頃から星好き。評判を聞いた近所の人に自分の望遠鏡を見てもらうことが多くなり、仲間と「塩尻星の会」をつくった。「星はどの季節もそれぞれ見どころがある。今の時期は、しっかり防寒をして楽しんでほしい」
会では随時、観察会を開いている。詳しくはウェブサイト=こちら=で。