女子高生2人が子ども食堂情報発信

“第3の居場所”ある地域づくりを

松本市の松本県ケ丘高校2年生、伏見百々花さん(16)は、友人と子ども食堂の運営ボランティアに参加している。居場所のない子どもや経済的に困っている家庭など、助けを必要としている人に、もっと子ども食堂の情報を届けたい―と、ウェブサイトの作成にも取り組み始めた。

手伝いの中で感じた課題

伏見さんと中学時代の友人は、2人で市内2カ所の子ども食堂を手伝っている。配布する弁当や物資の用意をはじめ、小学生に勉強を教えたり、季節のイベントで楽しませたり。「訪れた子どもが、笑顔になってくれるとうれしい」と話す。
中学校の授業で国連のSDGs(持続可能な開発目標)について学び、貧困などで苦しんでいる子どもがいることを知り、衝撃を受けた。身近で何か貢献できないかと思い、同じように考えていた友人と、子ども食堂を手伝おうと決めた。
今年3月から下校後や休日に、勉強や部活の時間をやりくりして訪れた子ども食堂は、利用者がいつも同じ顔ぶれだったり、配布する弁当の予約が、受け付け開始の数時間後には埋まったり。「子ども食堂の存在や行政の支援を知らず、誰にも助けを求められず、困っている人がもっといるのでは」と感じるようになった。

ウェブでの発信を開始

伏見さんと友人は自分たちの活動を、ハワイ語の「ulu」(成長する)などから発想した造語「uluhalo(ウルハロ)」と名付け、写真投稿サイト「インスタグラム」に投稿。同時に、起業を目指す高校生を支援し、ビジネスアイデアを具体化する塩尻市の「エヌイチ道場」に応募した。
2020年度に始まり3期目となる同事業は、コワーキングや起業家を支援する同市の拠点施設「スナバ」が運営。起業家や地域おこし協力隊員らが高校生の相談に乗り、5カ月ほどで事業化を進めるプログラムで、本年度は12人が10事業に取り組んだ。
2人は子ども食堂の情報を発信するウェブサイトを作ることにし、中間発表では取り組みに共感したスナバ利用者が、サイト作成に協力してくれることに。「スナバでいろいろな人と出会え、広がりがあってうれしい」と伏見さん。
先入観にとらわれず、現場に行って知ることの大切さを実感したという2人。「自分たちの活動が、家庭と学校以外にも子どもを認めてくれる“第3の居場所”がある地域づくりの一端になれば」。より多くの人が、子ども食堂を知ることにつながってほしいと願い、ウルハロは発信を続ける。