【なないろキッズ】 #79 習い事との付き合い方

前回に引き続き、習い事の話題を続けます。
自閉特性のあるお子さんの中には、新しいことを始めるのに不安が強くて、なかなか始めにくいという方がいます。特にストレスがかかっている時は、その傾向が強まるので、習い事を始めるのは調子のよい時期を見計らって始めるのがよいでしょう。
また逆に、いったん始めて慣れてしまうと、周りから見て、明らかに楽しそうでなく負担がかかっているようでも「やめる」ことがなかなかできないということで苦労することもあります。
本人が「続けたい」と言っているようでも、実はやめるというイメージが湧かなくて今まで通りを続けるという特性からやめられないということもあります。やめるプロセスに見通しを持たせたり、やめるメリットや理由を明確にしたりすることで、ようやく納得してやめられるということもあります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)傾向のあるお子さんは、好奇心が旺盛でいろんなものに「やってみたい!」と、飛び付きやすいですが、しばらくすると飽きてしまいがちです。「これがやりたい!」といわれて、初期投資をしてもすぐに飽きてしまってやめたいといわれると親としてはがっかりです。ですが、そういうタイプのお子さんならそれはもう想定内と思って始めることをお勧めしています。
ADHDの子にとって一度やる気を失ってしまったものを無理やり続けさせることほど無意味で時間の無駄なことはないからです。一度興味を失ったものに対するやる気は絶対に戻ってきません。興味はとっくに別のところに移っています。
一つのものを続けられないのはもったいないようにも思いますが、「いろいろ経験して、いろんな世界が見られてよかったね」と思っておきましょう。そしていろいろ体験していく中で、いつかはヒットしてはまるものが見つかるということもあります。