松本箒職の米澤さん「日本和文化グランプリ」で最高賞

伝統工芸の松本箒(ぼうき)を作る米澤ほうき工房(塩尻市広丘吉田)の米澤資修(もとなお)さん(47)の作品が、和文化を実用的に継承したり、次代に伝えたりする優れた工芸品やアート、建築などを対象にしたコンクール「日本和文化グランプリ」で、最高賞(グランプリ)を受けた。
受賞作「Chiritori×Houki」は、卓上サイズのちり取りとほうきのセット。台湾出身の女性木工作家・羅※●(ロチ)さん(34、東京都)とコラボレーションした(受賞者は出品した羅※●さん)。
羅※●さん作のちり取りは、ウォールナットやサクラ、メープルなどを削り、素材の色を生かしたり、徳島県の伝統工芸の藍で染めたりした。米澤さんは細いホウキモロコシを育て、ほうきの持ち手がちり取りにぴったりはまるようにサイズを決め、ちり取りの色に合わせた麻糸を使って仕上げた。ほうきにはひもが付き、セットで壁などにつれる。
コンクールは、伝統工芸の技術や創作活動の維持・発展を掲げる一般社団法人「日本和文化振興プロジェクト」(東京)が主催。昨年に続き2回目で、最終選考に28点が残った。入賞作家は、東京・羽田空港で作品の展示販売会(11月に開催済み)が開かれるなどの支援が受けられる。
米澤さんは同工房の3代目。富山の漁師だった祖父が妻の故郷で創業し、現在は父の勝義さん(80)と母の純子さん(75)の3人で営む。材料のホウキモロコシを春秋の二期作で栽培し、年間約600本の松本箒を作る。実用的な工芸品として、大都市圏の百貨店などで人気という。
ほうきの柄を、定番の竹だけでなく寄せ木細工にしたり、「軽井沢彫(ぼり)」を入れたりと、伝統工芸の革新を試みる米澤さんは「松本箒は、災害時に避難所を掃除する際にも役立つ実用品。今回の受賞で産地が有名になり、訪れる人が増えればうれしい」と話している。

※王ヘンに其