子どもたちが後押し 母子4人夢かなえ自分の店

夢をかなえる姿見せたい

「ママの夢がかなってうれしい」と喜ぶ子どもたち。松本市浅間温泉2に食堂と弁当の店「まんぷく亭」が今夏、開店した。ボリューミーな定食、彩り鮮やかな弁当が売りだ。調理師で店主の関口友理さん(38)が抱いてきた「自分の店を持ちたい」という長年の夢をかなえた。
シングルマザーとして3人の子どもを育ててきた。長女の来夢(らむ)さん(16)は身体障がいがあり、長男の凰希(こうき)さん(13)は知的障がいがある。自分の夢のために子どもたちに迷惑をかけられない-と開店に二の足を踏む時期もあったが、逆に子どもたちが背中を押してくれた。
経営から調理まで1人でこなす関口さん。子どもたちは学校が休みの日に店を手伝う。開店が子どもたちにも良い影響を与えているようだ。同店を訪ねた。

わが子の不安を払拭するために

天真らんまん、子どもたちから「元気なお母さん」と慕われる関口友理さんが作るのは、リンゴをたっぷり使った自家製だれで味付けしたジンギスカン定食(1200円)や、甘めなみそだれが特徴のもつ焼き定食(980円)など。ご飯、漬物、スープのお代わりは自由で学生やサラリーマンでにぎわう。弁当は、旬の野菜や食材を使った週替わり弁当(800円)のほか、予算に応じて作ることもできる(600円~)。
前オーナーが経営していた「まんぷく食堂」の「来てくれた人みんなが満腹になってほしい」という願いと共に、店名を受け継いだ。
松本調理師製菓師専門学校を卒業後、結婚。3人の子どもを授かり、家事や育児に精を出してきた。4年前に離婚してシングルマザーとなった。慌ただしさが増したが、「料理をすることが大好き」な気持ちは変わらなかった。
思春期の来夢さんや凰希さんは障がいを理由にいじめを受けるなどし、自分に自信が持てなくなっていた。「障がいがあると夢があってもかなわない」と、将来を不安に思う子どもたちの姿を見て、友理さんは夢を諦めないと決めた。「夢はかなう、と自分の背中で示したかった」と話す。

店の手伝い通じ子に良い影響も

2019年から松本市内の飲食店で働き始め、メニュー開発や調理などを通してさらに腕を磨き、子どもたちが大きくなったことや物件が見つかったことなどが重なり、開店した。友理さんは「子どもたちの後押しがうれしい。大変さも楽しんでいます」と笑顔だ。
普段は友理さん1人で切り盛りするが、土、日曜日や長期休みなどは「何か手伝いたい」と、子どもたちも協力する。妹夫婦の子どもたちが一緒に手伝ってくれることもある。
自分から話すことが苦手という来夢さんは「ママの料理している姿が楽しそうで、そんな姿が好きだったから、お店ができてうれしい」と喜ぶ。接客を通して「お客さんと話すことが楽しくなった」とうれしそう。凰希さんは「いつも頑張っているママを応援したい。みんなで協力できてうれしい」。
「人が集まれる温かい場所にしたい。おなかがすいたら、いつでも来てほしい」と友理さん。いずれ子どもたちが大きくなった時に一緒に働ける場とすることや、やりたいことができる環境づくりも視野に入れている。
まんぷく亭の営業時間は午前11時半~午後2時半(ラストオーダー2時)。TEL0263・50・5495