7・8日「松本あめ市」 3年ぶり多彩に

商都松本の新春行事「松本あめ市」は7、8日、市の中心市街地一帯で開く。コロナ禍で3年ぶりの開催。商店街や町会などでつくる実行委員会が、さまざまなイベント(6、7面参照)を催すほか、市時計博物館(中央1)で、あめ市の歴史をひもとく企画展が開かれ、中町蔵シック館(中央2)では、全国のあめの展示・即売会がある。

歴史をひもとく
市時計博物館29日まで企画展

市時計博物館の企画展「塩の道とあめ市のはじまり」は、あめ市の起源とされる「塩市」や、そこで売る塩が運ばれた「塩の道」などについて、同館初展示の史料を交えて解説。商都の伝統行事を振り返る。29日まで。
あめ市は、現在の深志神社(深志3)の神主がほこらを持参し、本町通りと伊勢町通りが交わる場所で塩を売ったのが始まりとされ、やがて「塩市」と呼ばれるように。いつごろ「あめ市」になったか定かではないが、江戸時代の前期には、新春の行事として成立していたとされる。
メインの展示は、松本と新潟県糸魚川市を結び、塩が運ばれた千国街道に焦点を当てた。牛を引く「牛方(うしかた)」や荷物を背負って運んだ「歩荷(ぼっか)」など、運搬を担った人々の生活道具は、大町市の博物館「塩の道ちょうじや」の収蔵品だ。
みのやわらじのほか、牛馬が道草を食わないように口にかぶせる網のような「くちぐわ」、立ったまま休むため、つっかえ棒のようにして背負った荷物を乗せる「荷杖棒(にずんぼう)」など、工夫を凝らしたものも。
あめ市のにぎわいの歴史も紹介し、幕末の観光ガイド本ともいえる「善光寺道名所図(ず)会(え)」から、市神の拝殿前の様子を描いた絵を縦約3メートル、横約5メートルのタペストリーにして展示。ぎっしりと集まった人々の中には、女性や子どもの姿もあり、家族そろって出かける一大イベントだったことがうかがえる。
時計博物館学芸員の小林駿さん(27)は「(展示に)派手さはないが、塩の道が支えたものの大きさを感じ取ってもらえるのでは。3年ぶりのあめ市を楽しみつつ、今に続く人々の営みに思いをはせてもらえれば」と話す。
同展(3階)のみ無料(1、2階の常設展は有料)。午前9時~午後5時(入館4時半まで)。10、16、23日休館。TEL0263・36・0969

全国各地の70種
中町蔵シック館博覧会・即売会

「全国あめ博覧会・即売会」は、中町蔵シック館前の広場で。業界団体の協力を得て、全国各地から集めた約70種を販売する。
飛騨地方(岐阜県北部)で「おしゃぶり」を表す「ねぶりこ」、京野菜の九条ねぎや聖護院だいこんを使ったものなど、地域色豊かなあめをはじめ、巾着袋付きの金太郎飴(あめ)、どこか懐かしいガラス瓶入りのコンペイトーなど、見た目やパッケージにこだわったものも。
あめ細工職人による、干支(えと)などの動物をかたどったものの制作実演・販売もある。担当する中町商店街振興組合の花岡由梨理事長(41)は「あめはバラエティーに富み、見るだけでも楽しい。街に出かけるきっかけにもしてほしい」と来場を呼びかける。
7、8日とも午前10時半~午後3時半(各品売り切れ次第終了)。同組合TEL0263・36・1421