子ども主体の学び考える

映画「夢みる小学校」を見てー池田で感想シェア会

「こどもが真ん中になる教育について考えたい」。そんな熱い思いの母親たちが中心になって昨年12月、映画「夢みる小学校」の自主上映会が池田町会染小学校で行われ、1月12日には見た人による「感想シェア会」が池田町交流センターかえで(池田)で開かれました。その様子を紹介します。

一歩踏み出すきっかけに

シェア会には会染小保護者有志でつくる実行委員会、同じ映画を上映した安曇野市実行委のメンバーのほか、松本、長野、大町市などから参加。最初に実行委員長の山田彩織さん(会染)が、開催に至る経緯や思いなどを話しました。
「以前住んでいた場所で、子どもの不登校を経験したのが活動のきっかけです。朝8時になると頭が痛い、おなかが痛いと言い登校できず…。私の育て方が悪いと自信を失うこともありました。
いろいろな場所に相談するうちに会染小の評判を聞き、見学させてもらいました。子どもは教室に入ったとたん目が輝き、公立でも学校によってこんなに違うんだと衝撃を受けました。
そんな中で『夢みる小学校』を知りました。ここに登場するような学校が実際にあるということを知ってほしい、今苦しんでいる人が一歩を踏み出すきっかけになるかもしれないという思いに突き動かされました」
山田さんは、学校の先生や保護者に映画のチラシを配る一方、一緒に見に行った矢口結以さん(同町)らと上映会に向けて活動を始めます。同時期に安曇野市でも上映することを知り、メンバー同士がつながり情報交換などをします。
シェア会の参加者の中には、映画に登場する小学校に子どもを通わせる保護者もいました。
「最初に入学したのは競争重視の小学校で、1番になりたいと頑張り続けるうちに、プレッシャーと恐怖で頭内爆発音症候群になってしまいました。それを機に今の学校を見学し、何度か行くうちに子どもが自ら転校を希望しました。うちの子は満足していますが、合わずにやめていく子もいます。大切なのは、自分に合う学校を選べる環境をつくることだと思います」

池田、安曇野の両実行委は今後、川崎市にある「子ども夢パーク」(通称ゆめパ)で伸び伸びと過ごす子どもたちを描いた映画「ゆめパのじかん」の上映会開催も目指します。ゆめパは、同市の子どもの権利に関する条例に基づく施設として2003年に誕生。子どもが「やりたい」と思ったことにチャレンジできるようできるだけ禁止事項を作らない、「自分の責任で自由に遊ぶ」ことを大事にしています。
両実行委は「いろいろな選択肢から、子どもが自分で選ぶことが大事。親は“子ども観”をアップデートしていかないといけない」と言います。
安曇野の実行委もシェア会を行います。2月12日午後2時、穂高会館講堂。「夢みる小学校」を見た人なら誰でも参加できます。申し込みは = ウェブサイト

【夢みる小学校】
“子どもファースト”の私立「きのくに子どもの村学園」(和歌山県)、公立の「伊那小学校」(伊那市)と「世田谷区立桜丘中学校」(東京都)の3校が登場する教育ドキュメンタリー映画。先生がいない、通知表がない、校則がないといった取り組みを紹介する。オオタヴィン監督。2021年製作。