東京・お台場のシンボル「大観覧車」のゴンドラ 鹿島槍スキー場で再出発

東京・お台場のシンボルが意外な場所で再出発!昨年8月に23年間の営業を終えた複合施設「パレットタウン」の大観覧車。思い出がある読者もいるだろう。惜しまれつつ解体されたが、64台あったゴンドラのうち6台が、縁あって大町市平の鹿島槍スキー場に設置された。
潮風に吹かれたお台場から、約200キロ離れた山麓の雪上に引っ越し、“第二の人生”を送り始めたゴンドラ。ファミリーで楽しめるエリア「ポケモンスノーアドベンチャー」内の休憩所として活用されている。
今はもう回ることがない観覧車だが、学生や社会人として東京で暮らした信州人、あるいは信州をスキーで訪れた東京在住者らが、あの日の記憶をたぐり寄せる。雪上のゴンドラでは、今日も新たな思い出がつくられている。

移設を知り足運ぶ人も

「松本から、わざわざこれを見に来ました」。鹿島槍スキー場のゲレンデで、6台のゴンドラを熱心に写真に収める男性に出会った。萩村淳也さん(43、松本市神林)は、好きな芸能人がブログに載せた営業終了間際の観覧車の写真を見たことや、ネットニュースでゴンドラの移設を知り、ノンスキーヤーながら足を運んだ。
東京には、学生時代から10年ほど暮らした。観覧車に乗ることはなかったが、お台場は遊びに行ったり仕事で縁があったりする土地で、「お台場を象徴した一つでしたよね」。何度もシャッターを切り、「長野県に来てくれたことがうれしいですね」。
ゴンドラの前で雪遊びをしていた親子は、東京から来訪。お台場からやってきた観覧車のゴンドラだと伝えると、大竹麻夢(まむ)さん(37、杉並区)は「まさかここで再会できるとは」と驚いた様子だった。「学生時代に乗り、夫ともデートで乗り、娘が幼い頃にも一緒に乗った。お台場と言えば、の存在でしたね」としみじみ。
ゴンドラは宙に少し浮いた状態で置いてあり、中に入った長女の春さん(8)は「揺れて楽しかった」。小さい頃に乗った記憶はないが、ひょんな場所で出合った観覧車と思い出をつくっていた。

色とりどり6台を設置

東京・お台場で1999年から昨年8月まで営業した「パレットタウン大観覧車」。開業当時は世界一の高さ(115メートル)を誇り、23年間で2100万人余が乗車した。
エリアの再開発に伴い、営業を終えることに。国内外への移設も検討されたが、法律改正やコロナ下で海外から視察に入国できないといった理由で困難と判断され、解体が決まった。観覧車の運営元によると、全部で64台あったゴンドラのうち、鹿島槍スキー場に移った6台を含む3分の1ほどは行き先が決まったが、残りは廃棄された。
同スキー場は、ノンスキーヤーでも雪遊びを楽しめる「冬のテーマパーク化」をコンセプトに掲げる。ゴンドラは耐久性に問題がなく、前所有者から無償で譲り受け、昨年12月から休憩所として使っている。「お子さまや、お台場の観覧車に思い出を持つお客さまにも、楽しんでいただけたら」と、取締役の戸田峻也さん(34)。外装や内装はそのままで、お台場の潮の香りまで感じられそうだ。
高所から見る臨海副都心の眺めから一転、広がる白銀の世界。雪上に映えるカラフルな色と愛らしいシルエットが、年代を問わず幅広い人気を集めている。