
二足のわらじで挑戦続ける
バレエ、芸能活動と常に舞台に立ち続けた粟澤(あわざわ)穂乃花さん(27、松本市桐3)。けがをきっかけに、ピラティストレーナーの資格を取得した。経験を生かして1日、安曇野市にクラシックバレエとピラティスのスタジオ「Studio RinGo(スタジオ・リンゴ)」を開く。
バレエの魅力や体を動かす楽しさを伝え、美しい体づくりや、膝痛といった体の不調の改善など、地域の人の健康を支える。
2021年には「ミス・ジャパン」に出場し、日本大会ファイナリストに選ばれた。「ザウオークジャパン2023」で信州エリアグランプリを受賞、3月には神戸市で開かれる日本大会に出場するなど、表舞台に立つ挑戦も欠かさない。「指導者としてだけでなく、現役として輝き続けたい」と意気込む。
バレエ生かせる芸能の道へ挑戦
粟澤穂乃花さんは4歳でバレエを始めた。幼稚園に習っている子がいて、兄の通う英語教室の1階にバレエ教室があったことも後押しした。「バレエが好き。美しさを表現できて心地いい」とバレエダンサーを夢見た。
松本美須々ケ丘高に入学したが、バレエのための時間が減った。中学校まではバレエ一筋。大学に行く将来も想像できなかったといい、2年生の時、京都にあるバレエ専門学校高等課程に編入することに。
専門学校では解剖学やフランス語を勉強したり、衣装を作ったりと充実した毎日を過ごした。コンクールにも参加、予選は突破するが、なかなか結果が出ない。「バレエダンサーとしてトップになれるレベルでないことに気づいた」
高等課程3年の時に見たミュージカルが転機となった。「バレエを生かせるのではないか」。専門課程へは進まず、東京にある東京ダンス&アクターズ専門学校の門をたたいた。
卒業後は芸能事務所に所属したが、ほとんど仕事がない。そんな時、情報バラエティー番組「にじいろジーン」で、「虎姫一座」と出会った。平成生まれの若いメンバーがパフォーマンスする昭和歌謡が新鮮だった。
同一座の新メンバー発掘オーディション「平成生まれのスターを探せ!」に挑戦。観客投票数1位でメンバーに選ばれた。
芸能事務所「アミューズ」に所属し、浅草を拠点に活動。舞台出演数は1000回を超えた。「踊って歌って、お芝居もして-と忙しい毎日だったが、精神的に鍛えられた。今思うと楽しく、やっていてよかった」と振り返る。
活動休止にケガ地元で新たな道
2019年に同一座が活動休止に。事務所を辞めるか残るか-。最後の公演で、半月板を損傷し、手術を受けた。事務所は辞め、リハビリのため体の内側の筋肉を鍛える運動、ピラティスを始めた。膝の他に腰痛などにも悩まされていたが、「痛みが全くなくなった」と粟澤さん。一念発起、FTPマットピラティストレーナーの資格を取得した。
コロナの流行もあり、20年松本へ戻った。インストラクターとしてフリーランスで働く中、「表舞台に立ちたい」という思いは消えなかった。21年、「ミス・ジャパン」に出場した。中部北陸ブロックでグランプリを受賞。ミス長野に選ばれ、日本大会のファイナリストに名を連ねた。歩き方の美しさを競う23年の「ザウオークジャパン2023信州エリア」では初代グランプリに輝いた。
「フィットネス感覚で気軽にバレエに触れてほしい。現役で輝く自分の姿は、生徒の刺激になるのでは」。今後も二足のわらじを履き、さまざまな挑戦を続ける。
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