親子で芝居披露「劇団こまねずみ」15周年

団長の岩淵小姫子(さきこ)さん(安曇野市穂高)と副団長の遠藤幸子(ゆきこ)さん(同)が率いる「劇団こまねずみ」は、ママ10人とその子どもたち約20人が所属する親子劇団です。同市を中心に児童館や保育園、デイサービスで楽しい芝居を披露しています。

お年寄りにも大好評

★発足
劇団は2008年の「ねずみ」年に発足。名称は、子どもの「こ」とママの「ま」を付けた「こまねずみ」にしました。メンバーは、発起人の岩淵さんと遠藤さんの長男(共に10歳)や穂高中央児童館に通う子どもたち9人と、そのママたち16人です。
きっかけは、劇団員を目指して東京の養成所に2年間通った岩淵さんが、同館の先生に「一緒にお芝居をやろう」と誘われて。年1回開く催しの日に、「ももたろう」の演者として参加。久しぶりの舞台や会場の雰囲気に触れ、芝居の魅力を思い出しました。
その後、ママ友の遠藤さんが高校時代に演劇部だったことが分かり、児童館の先生から「来年はママたちでやってみたら」と提案されたこともあり劇団の立ち上げを決めました。
団員の個性を発揮できる配役など、台本は岩淵さんが作ります。誰でも知っている童話を基に、笑いの要素を散りばめた作品が特徴。団員の赤ちゃんを生まれたての桃太郎役にしたこともあります。衣装や小物は全員で手作り。初演は「ねずみの嫁入り」でした。
1回限りのつもりでしたが、児童館と併設するデイサービスから上演依頼があり引き受けます。お年寄りには子どもたちの登場シーンが大好評。その評判が口コミで広がり、他の児童館や保育園などからも声がかかります。公演は多い年で30回、演じる作品も10作以上になりました。

★「完璧は求めない。とにかく楽しく」がモットー
団員の子どもたちが入園すると、平日公演はママだけで担うことになりました。練習は月1、2回、土日曜。子どもたちは嫌がることもありますが、そんな時、岩淵さんは決して無理強いせず「できそう?」と気持ちを聞きます。
「舞台では緊張するけれど、終わると観客から拍手がもらえる。子どもたちもいつもと違う感覚を楽しんでいるかもしれません」。本番が終わると、子ども同士で褒め合う姿もあるといいます。

★節目
結成時3歳だった子どもたちが12歳になる2017年、単独公演を開きました。小学6年生で引退を決めた子は、これが最後の舞台。始めた時はママがほぼつきっきりだった子も、堂々と演じるたくましい姿に成長しました。2回の公演に約600人が訪れました。
今年は15周年の節目です。「稽古する時間を理解してくれる家族や職場の方々のおかげで続けられています。感謝の気持ちでいっぱい」と岩淵さん。遠藤さんは「子育て中のママには笑っていてほしい。舞台から見えるママの笑顔のためにも続けていきたいです」。

次回公演は18日午前10時半、南穂高児童館(安曇野市豊科南穂高)。24日午後1時半、Mウイング(松本市中央1)。定員あり。詳細はブログ