動物好き夫婦の古着屋1周年

「好き」を力に古着の魅力発信

松本市大手4の古着屋「FLOW(フロウ)」は、動物好きの夫婦、安曇野市の熊澤良介さん(26)と妻のはる菜さん(26)が営む。5日で開店1周年を迎える。
国内外で買い付けた1980~90年代の古着を販売する同店。オオカミなど動物が大きくプリントされていたり、たくさんの魚がデザインされていたりと、アニマルモチーフの服が多い。店内のインテリアもクマの壁掛け、オオカミの時計、シカの角…など動物ばかり。「ここまで動物の古着がそろっている店はない」。二人のこだわりだ。
服に興味を持ってから「一度も服を捨てたことがない」と断言する二人は、服を染めたり切ったりして「今風」にアレンジして着こなす。1周年を機に、服を現代風にデザインし直す取り組みも始めた。

テーマ絞った店 古着の入り口に

動物柄や色鮮やかな柄の古着をおしゃれに着こなす熊澤良介さん、はる菜さん夫妻。もともとファッション好きだったはる菜さんと違い、良介さんは服に興味がなかった。
関心を持ったのは二人が交際中の高校時代。良介さんが好きなオオカミが大きくプリントされたスエットを、はる菜さんからプレゼントされた。初めて触れた古着。着心地や個性的なデザインがとても気に入った。「古着っていいな。面白いな」。二人でお気に入りの古着店に通うようになった。
23歳で結婚。24歳で古着の店を開くことを決意した。店舗探しや資金集め、方向性の見直しなどの準備期間は「人生で一番つらかった」と振り返る。
動物好きな二人は「街中のイヌやネコ、カモなどをつい目で追ってしまう」。結婚指輪には二人がデザインしたオオカミを刻んだ。はる菜さんは「動物を見ると、表情やしぐさからストーリーが浮かんでくる」と笑う。
好きというだけで動物にテーマを絞った店を運営できるのか-と不安な時期もあった。だが、「自分のように好きな動物がきっかけで古着への入り口になれば」(良介さん)、「動物にあふれた古着屋があってもいいよね」(はる菜さん)と踏ん切りをつけ、昨年開店した。

古着のリメーク 1周年機に挑戦

店名のFLOWは、逆さに読むと二人で古着が好きになったきっかけ「WOLF(オオカミ)」になる。ロゴのオオカミ2匹はもちろん二人だ。
1周年を記念して、洋服の直しやリメークのオーダーメードなどを受ける新たな試みも始める。店内では、ネクタイや古着を活用し、はる菜さんが手作りしたワンピースやサルエルパンツなども販売している。「古い物にしかない柄を今風にアレンジできたら」と話している。
1年を振り返ると「毎日違うお客さんが来てくれて、刺激的で楽しい1年だった」とはる菜さん。「古着の魅力を伝えたい」と良介さんは語る。
3~12日は安曇野市に今春オープン予定の「こめこのおやつtoiro」によるシフォンケーキの販売もある。
水曜定休、その他不定休。営業時間は正午~午後6時。TEL080・8475・7672