【なないろキッズ】 #81 余裕生まれる学校現場に

年度が終わりに近付いてくると、来年度の学級編成や担任のことが気になってきます。発達の偏りのあるお子さんは特に、人との相性による影響が非常に大きいことがよくあるため、学級編成や担任がどうなるかは死活問題です。
外来に来ている親御さんには、翌年度に向けて3学期の早いうちに、お子さんと担任やクラスメートとの相性について、担任や管理職の先生に相談してみることをお勧めすることがあります(全員というわけではありませんが)。
こういうことを新聞などに書くと、みんながみんな、自分の好きなように要望したらクラス編成は成り立たなくなるのでやめてもらいたいというクレームがくることも予想されます。
それでもあえて話題に選んだのには、学校に通うのに不安があったり、人との相性に繊細な影響を受けやすかったりするお子さんの場合、担任との相性が、1年間の運命を決め、さらには後々の人生にまで影響を及ぼすかもしれないほど、重要になることを想像してもらいたいからです。
年度の途中では何があっても担任の交代は望めないので、せめて年度変わりにはチャンスをくださいと思うのです。
とはいえ、相性の問題には予想がつかないこともあります。1人の先生が全権を担うクラス担任制の良さもあるとは思いますが、複数担任制や、チームティーチング制など、複数の先生が広く関わり、その中でお子さんごとに、より相性の良い先生が重点的に関われる仕組みがあると、人の相性による影響が大きいお子さんにとってはより安全といえるかもしれません。
公立の学校も複数担任制を柔軟に取り入れるようになったらいいのにと思ったりもします。そのためにも教員の待遇改善などを行い、教員志望者を増やし、学校現場に人的余裕がもっとできるような政策をとってもらえることを待ち望んでいます。