昭和期の松本 市民のフィルム基に映画

昭和期に松本市内で撮影された8ミリフィルムを市民から募り、編集して1本の映画にした「地域映画まつもと日和(びより)」の完成上映会が2月25、26日、Mウイング(中央1)で開かれる。この80年余りで変わったもの、変わらないものが記録された、世代を超えて心に届く映像作品だ。
市民約20人でつくる市民団体「まつもとフィルムコモンズ」が製作。寄せられた345本のフィルムを基に、映像作家、三好大輔監督(51、清水1)が約1時間の作品にまとめた。
スクリーンに映し出されるのは、かつての商店街など懐かしい風景はもちろん、わが子を慈しむ親や祭りを楽しむ市民など、飾らない日常。太平洋戦争前の貴重な映像もある。
「長い年月がたち、当時の個人的な記録が社会的価値を持つようになった」と三好監督。「他人の日常を自分の記憶と照らし合わせながら見るのが地域映画の魅力。不思議なほど、いろんなことを感じるんですよ」
フィルムコモンズのメンバーは、フィルムの掃除やフィルム提供者へのインタビューなどを手がけたほか、地元の音楽教室や太鼓演奏団体など、さまざまな人たちを巻き込んで音楽を作った。
メンバーの一人、信州大人文学部3年の坂田和ノ介さん(21)は「映像を通して、過去と現在が地続きであることを実感した。ノスタルジーだけが地域映画の魅力ではないので、ぜひ若い人にも見てほしい」と力を込める。
25日午後1時半、5時、26日午前10時、午後2時、7時。無料。予告映像はこちら。事務局TEL090・3535・6519