会染小児童作「会染ラーメン」

地域と連携おいしく完成

「麺上がるよ」「ワンタンゆでて」と手際よくラーメンを作る子どもたち。池田町の会染小学校4年生(46人)が、「町のご当地ラーメンを作ろう」と昨年から活動し、ついに完成した。
その名も「会染ラーメン」。町内の農家や企業が協力し、町の魅力がたっぷりつまった逸品だ。2日は、保護者やラーメン作りで世話になった地元の関係者らを招き、児童がラーメンを作って振る舞った。
「ご当地」をたくさん詰め込んだ。スープには、町のイノシシと地元の酒蔵・大雪渓酒造のこうじを使い、麺に桑の葉を細かく刻んで練り込んだ。具材は、会染地区名産の内鎌かんぴょう、九条ネギ、コーン、ワンタン、焼きのり、味玉をバランス良くのせた。

町の魅力伝える児童のこだわり

池田町の会染小学校4年の児童たちが、「ご当地をたくさん詰め込んだ」という「会染ラーメン」。開発には、松本市の「煮干しらあめん燕黒(つばくろ)」(梓川倭)店主で、同町出身の横山晴彦さんが協力した。イノシシ肉が持つジビエ特有のくせを少なくする上で、麺に練り込んだ桑の葉が効果を発揮。全体として、あっさりした味わいになった。
童謡「てるてる坊主」の作詞者、浅原六朗が同町出身なのにちなみ、ワンタンをてるてる坊主の形にした。町からきれいに見える「有明山」を焼きのりで表現するなど、「池田の魅力を伝えよう」と、児童の細かなこだわりが感じられる。

厳しい現実とも向き合いながら

大雪渓酒造のほか地元のネギ農家、かんぴょう保存会、猟友会が協力した。器も、青のうわぐすりで一人一人がデザインした物が使われた。
児童らは、3年生の時から地域の人たちと連携し、ラーメン作りに取り組んできた。班ごとに分かれ、どんなラーメンを作りたいかプレゼンテーションを行い、その中から横山さんが選んだ。種からネギを育てたり、真夏の暑い中かんぴょうをハウスで干したり。トウモロコシも育てたが、虫に食われて収穫は3本だけという、厳しい現実とも向き合った。
ラーメンお披露目会では、保護者や地元関係者らのため、110食分を手際よく作り、親子で仲良く食べた。児童は「スープにイノシシが使われているんだよ」「のりの形を見てみて」などと保護者に説明し、親たちは「おいしいね」と、完成を喜んだ。
西虹音(ななと)君(10)は「悩むことも多くて、みんなで話し合いながら協力してできた。『うまい』と言ってもらえてうれしい」と笑顔。
担任の高木仁志教諭(53)は「一つの具材を作る大変さや、大勢の人と協力すると、大きなことができると知ってほしい」と児童に伝えた。「生まれ育ったこの町をより好きになってくれたら」と願う。