本洗馬歴史の里で河越虎之進展

塩尻市洗馬の本洗馬歴史の里資料館は、梓村(現松本市梓川)生まれの洋画家・河越虎之進(1891~1989年)の企画展を開いている。油彩15点と多数の俳画やスケッチ、画集などを展示している。3月19日まで。
河越は、当時旧制松本中学(現松本深志高校)の美術教師だった山岳画家・武井真澂(しんちょう)に学び、東京美術学校(現東京芸大)で黒田清輝らに師事した。若くして帝展で入賞するなど注目されたが、40歳の時、冷たい湖に長時間漬かりながら制作して歩くのが難しくなるほど脚を病み、美術教師も失職した。
失意の中、治療を兼ねて1943年、当時片丘村(現松本市内田)の崖の湯に疎開し、アトリエ丘隅(きゅうぐう)庵を構えて最晩年まで約40年間暮らした。
今展は、同館指導員の佐藤隆治さん(63)が、以前に催した「武井真澂展」で見た河越の絵に感銘し、3年前に準備を始めた。
しかし、予定した作品が借りられず、先代会長の故穂苅甲子男さんが、河越の画集(1999年刊)の刊行委員長を務めた住宅資材販売などの林友(松本市)を頼り、同社所蔵の油彩画2点と俳画色紙260点を借りた。
ほかに、河越と交流があった広丘村(現塩尻市)出身の歌人・若山喜志子の生家の太田家や、個人蔵などの作品も借りて開催にこぎ着けた。
金~日曜と祝日の午前10時~午後5時開館。入館料は高校生以上150円、中学生以下無料。同館TEL0263・54・5520