【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#47 手前しょうゆ

自給自足を志して、移住してきて、はや5年。「いつまで駆け出し百姓のつもりだ、もっとゴリッとした文章にしなさい」と、旧知の先輩からご叱責(しっせき)をいただきました。こちらのコラムもそろそろ2年になります。なかなか生来の軽さが抜けませんが、もう少し奮闘記にお付き合いいただきます。
さて、自給自足に毎年挑戦していますが、今年はしょうゆです。
諏訪や松本にある古くからのおみそ蔵には、おしょうゆも造っているところがあります。そのしょうゆを買っていて、不満はありませんでした。大メーカーさんのよりおいしいです。
ですが、調べてみると、しょうゆ造りはそれほどハードルが高くないようです。みそより簡単という人までいるじゃないですか、やるか!
材料は良いお水(中信地区はおいしい湧水に事欠きませんね)に、塩、大豆と麦(自然農の自家栽培)と種こうじです。日本酒の杜氏(とうじ)さんをまねて、大豆と麦に種こうじを均等に振りまくことからスタートです。大きな樽(たる)に仕込みます。畑の仲間と、わいわいがやがやと。
おみそ造りと同様、後は家付きの発酵菌にお任せです。月に1度、しょうゆ揉(も)みをして10カ月間寝かせます。仕上げは搾り師さんに来ていただいて、専用の道具で搾って出来上がりです。
楽しみだな~、手前しょうゆ。最初はやはり刺し身だな。しかし、搾り師という職業があったの知りませんでした、カッコいいね。