
松本市の松本深志高校演劇部(7人)は3月26日、初めての外部公演を上土劇場(大手4)で開く。小説家・梶井基次郎の短編小説「檸檬(れもん)」からインスピレーションを受けたオリジナル作「香気」を披露する。
部員から脚本を募り、1年生の松林佳歩さん(16)が考えた台本を基に、全員でアイデアを出し合い肉付けした。演じるのは4人で、3人は照明や音響などの裏方を担う。
将来への不安や悩みを抱える女子高生と、現代にタイムスリップした「檸檬」に登場する果物のレモンが主人公。「誰もが悩みを抱えているけど、考え方を変えてみると一歩前に進めることもある。見た人の、ものの見方や考え方が変わるような作品になれば」と部員たち。主人公の会話を中心に、緊迫感あふれるシーンや、くすりと笑えるような掛け合いもあるという。
同部はこれまで新入生歓迎会や文化祭など校内だけで発表してきたが、3年前から外部公演を構想。「演劇が盛んなこの街の人に見てもらい、部の力量を上げたい」と今回実現した。
松林さんは「幅広い世代に楽しんでもらうことはもちろん、同世代に少しでも届くものがあれば」。部長の今井春香さん(17、2年)は「動作やリアクションなど自然な動きを意識している。細部まで注目していただけるとうれしい」と話している。
入場無料。午後2時開演。上演時間は1時間。問い合わせは同校(顧問の金井賢一教諭)TEL0263・32・0003