【野遊びのススメ】#48 「キャンプ飯」を教わる

道具や食材 工夫も楽しむ

アウトドアが趣味の記者にとって、屋外で食べる「キャンプ飯」は楽しみの一つだ。しかし、残念ながらレパートリーが少ない。そこで石井スポーツ松本店(松本市平田東3)キャンプ道具担当で、県認定の信州登山案内人、山岳ガイドの庵原(いはら)由信さん(45、安曇野市)に簡単かつおいしいレシピを教わった。

メスティンなど使い手際よく

庵原さんはキャンプが趣味で、普段からクッカー(鍋やフライパンなど野外で使う携帯用調理器具)を使って調理したり、それで作った料理をツアー客に振る舞ったりしているという。2月下旬、アルプス公園(松本市蟻ケ崎)の火が使える広場(じか火不可)で待ち合わせ、早速始めた。
用意してくれたレシピは「ポトフ」「トマトパスタ」「ぜんざい」の3品。市販の食材も活用する。使う道具は、アルミ製の箱型の飯ごう「メスティン」、フライパン鍋、丸型クッカーの三つ。メスティンは、煮る、ゆでる、蒸すなどさまざまな料理に使える。
庵原さんは手際よく野菜などを切り、ガスこんろ1台で次々に作っていく。「何でもそろっている家と違い、限られた道具や食材で何が作れるかを考えるのも楽しさの一つです」
市販品をベースにしているが、食材や調味料を少し足したり替えたりするだけでおいしくなる。ごみや洗い物をできるだけ出さない、減らすといった工夫も勉強になった。
雄大な北アルプスを眺めながら、出来たてを2人で味わう。「温まる。最高だね~」
登山シーズンになったら、ぜひこのレシピを試したい。

■ポトフ
【材料(2人分)】
・ジャガイモ…1/2個
(電子レンジで約1分加熱した物を持参)
・ニンジン…1/4本
(同)
・キャベツ…少々
・玉ネギ…1/4個
・エリンギ…1本
・市販のキューブ状の鍋つゆ…1個
・オリーブオイル…少々
・水…180cc
・ウインナー、塩、こしょう…好みで
【作り方】
(1)メスティンにオリーブオイル、具材を入れて軽く炒める(1分程度)。
(2)水を入れ、沸騰したらつゆを入れる(味見して調整する)。
(3)火を止めて5分おく(野菜に火を通す)。好みで塩、こしょうなどを振る。
◆吹きこぼれないように火加減に注意する。ふたが熱くなるので軍手やタオルを用意しておく。

■ワンパントマトパスタ
【材料(2人分)】
・パスタ…100グラム
・市販のトマトソース…60グラム
・市販のトマトペースト…20グラム
・ニンニク…1片
・タカノツメ…少々
・オリーブオイル…適量
・ポトフの残り汁か水…適量
・イタリアンパセリ、粉チーズ…適量(好みで)
【作り方】
(1)刻んだニンニク、タカノツメ、オリーブオイルをフライパン鍋に入れ、ニンニクがきつね色になるまで炒める。
(2)トマトソース、トマトペーストを入れ、ぐつぐつしてきたらパスタを半分に折って入れる。
(3)焼き目を付けるように焼く(香ばしく、ソースがパスタにしみやすくなる)。煮詰まったらポトフの残り汁か水を少しずつ足し、パスタが軟らかくなるまで火を通す。
(4)パセリや粉チーズをのせて完成。
◆名前の通りフライパン一つで作るパスタ。野菜は皮をむいて切ったものを持参すると現地でごみが出ない。ハーブなど葉物があると見栄えが良い。

■ おこげぜんざい
【材料】
・市販のおこげぜんざい…1袋
・マシュマロ…適量
【作り方】
(1)鍋でぜんざいを湯せんする。
(2)皿に取り出し、おこげと混ぜる。
(3)バーナーであぶったマシュマロをのせて完成。
◆サクサクしたおこげ、甘さ控えめのぜんざい、マシュマロの組み合わせが絶品。非常食にもなる。